☆The錦湯 第16回
出演:桂三幸さん、月亭八斗さん
大喜利出演:たまいさん、地主君
(2017年9月11日20時開演/錦湯)
夏が終わり、徐々に秋が近づく京この頃。
16回目となるThe錦湯は、支配人の桂三幸さんに久しぶりの月亭八斗さん、そして二週連続となる桂あおばさんの三人が出演し、常連さん、リピーターさん、ご新規さんとお客さんもなかなかの入りだった。
定刻20時頃、三幸さん、八斗さん、あおばさんが登場し、適度な距離感のトークで盛り上げる。
で、頃合いのよいところであおばさんが高座へ。
NHKの新人落語大賞の予選が迫っているということで、それ用のネタの『動物園』をかける。
予選用に刈り込んでいる分、笑いどころもはっきりとわかったのではないか。
男が虎となって檻に入ってからが当然の如く肝。
客とのやり取りのここぞというところでの大きな動きが印象に残るとともに、あおばさんの必死のぱっちぶりが男の必死さと重なっておかしかった。
続いては、八斗さんが登場。
師匠月亭八方さんとのエピソードをマクラで語ったのち、その八方さんより弟子入り十年目にして初めてつけてもらったネタの『野ざらし』を演じる。
八斗さんが女形、女を演じることに強い興味を抱いていることは、すでに錦湯での会でも公言しているところで、今夜の『野ざらし』でも終盤ちょいと鼻にかかった声色の色女ぶりを発揮していたが、基本はメリハリがよく効いた「男前」な語り口。
鐘がゴンと鳴りゃ上げ潮…の節回しも八斗さんの柄によく合っていた。
三席目は再度あおばさん。
こちらも10月25日のABCホールでの独演会でかける予定の『宮戸川』に挑む。
もともとは月亭方正さんが江戸の落語を上方に移し替えたもので、あおばさんも一度錦湯さんで演じたことがある。
ということで、今夜が二度目となるわけだが、この間あおばさんがこのネタとどう接してきたかがよくわかる高座となっていた。
つけてもらったくすぐりはくすぐりとして活かしつつ、それを咀嚼して自分のものにするというか。
あおばさんの特性、人柄がよく加味されていて、そこもまた面白かった。
トリは、支配人の三幸さんが師匠桂文枝さん(の三枝時代)の新作『読書の時間』を口演した。
すでに何度か錦湯でもかかったことのある作品だけれど、師匠直伝ということもあってか、三幸さんはツボをよく押さえた流れのよい高座に仕上げていた。
それにしても、文枝さんの文学的嗜好、文芸趣味はその新作のあちらこちらに垣間見ることができるなあと改めて痛感した。
最後は大喜利を決行。
はじめ三幸さん仕切りの下で、八斗さん、あおばさん、リピーターの地主君、たまいさん(相当久しぶりの登場)がお題に挑んだ。
八斗さん、あおばさんがコンスタントに解答を重ねる一方、たまいさん、地主君は大喜利ずれしていない新鮮な答えを連発し、大喜利連の穴を巧く埋めていた。
後半は、あおばさんと三幸さんが立場をチェンジ。
三幸さんの安定は言わずもがな、あおばさんも生き生きとした仕切りを見せた。
と、今夜も盛りだくさんのThe錦湯でした。
ああ、面白かった!!
2017年09月12日
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