☆努力クラブ持ち寄りコント公演『小騒動』
*コントを書いたり演出したりする人たち
稲森明日香、合田団地、坂口弘樹、西マサト、福井裕孝、丸山交通公園、向坂達矢
*コントに出る人たち
稲森さん、合田君、坂口君、佐々木峻一、沢大洋、西さん、福井菜月、丸山君、向坂君、矢口翔大
(2017年6月13日18時開演の回/アトリエ劇研)
ちっぽけなコントのなかにこめられているエネルギーは、しばしば、厖大なロマンのそれを凌駕する。
とは、twitterの花田清輝botがときおりツイートする一文である。
などと、こういった言葉を文章のしょっぱなに掲げることほど、嘘くさいものもないんだけれど、努力クラブの持ち寄りコント公演『小騒動』に接したら、やっぱりこの言葉を捧げたくなってしまった。
その名の通り、『小騒動』は、努力クラブの合田団地をはじめ、稲森明日香、坂口弘樹、西マサト、福井裕孝(彼は出演せず)、丸山交通公園、向坂達矢がそれぞれのコントを持ち寄って、自作を演出するとともに、他人の作品や自作にも出演するという公演企画だ。
(ただし、福井君は出演せず)
で、『限りなく先を行く人たち』(坂口君作)、『内緒のお菓子の秘密』(合田君作)、『わたしは』(稲森さん作)、転換時の稲森さんによる一人ナウシカを挟んで、『penguindam』(福井君作)、転換時の沢さん、丸山君による大相撲を挟んで、『芝浜がやりたい』(丸山君作)、『女の裸が観たいマン』(西さん作)、『アトリエ劇研8月に閉館するってよ、夏。1993〜劇場霊〜』(向坂君作)の計7本のコントが上演されたのだが、いやあ、これは本当に密度の濃い公演になっていた。
当然選りすぐりのコントだけにくすぐりも豊富で、要所要所で大いに笑った。
いや、大いに笑ったけれど、単に脊髄反射的な笑いに留まらない、個々の作者のこれまでの経験蓄積が存分に発揮された仕掛けと含みに満ちたコントに仕上がっていたこともまた事実である。
そして、ときに遠まわしにときに直接的に表されるコントの作り手たちの表現表出欲求や切実さ痛切さもあって、帰路それじゃあお前は表現者の一人としてどうするのかと匕首を突き付けられたような感情に陥ってしまったりもした。
上述したコントの作者たちが絶妙な演技を披露していたことは言うまでもないが、加えてハゲを継ぐ者沢大洋(いろいろ事情があるのは重々承知しているけど、社長がお茶くみするような真似をあと少し抑えて、もうちょっと舞台に立ってもらえないものか。あまりにも惜し過ぎる)、福井菜月、矢口翔大(ヴァイオリン!)も大活躍。
ほかに、前口上後口上などで佐々木峻一が自慢の大音声を発した。
いずれにしても、観に行って大正解の公演でした。
これでもっとお客さんが集まっていたら。
それがどうにも悔しい。
ああ、面白かった!!!
2017年06月13日
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