☆The錦湯 第5回 八斗ママ、プレゼンツ〜ママの人生相談のまま〜
出演:桂ぽんぽ娘さん、月亭八斗さん、桂ちきんさん、月亭遊真さん、福上よしきさん
大喜利出演:ゴハさん
(2017年6月5日20時開演/錦湯)
5回目となるThe錦湯さんは、先週のアナウンス通り支配人の桂三幸さんがネタ探しの旅(?)のためお休み。
変わって、出演者中最若手で副支配人の月亭遊真さんが差配仕切りを務めた。
今回は、「八斗ママ、プレゼンツ〜ママの人生相談のまま〜」という副題が付いていたのだけれど、蓋を開ければ全く違った内容の会となっていた。
しかも、こういう特別な日にかぎって産経新聞の記者さんが取材にやって来るというのだから、やっぱり世の中一筋縄ではいかない。
定刻20時を少し過ぎたあたり、遊真さんに続いて、八斗さん、ちきんさん、福上さんが登場。
スタートのトークから、ちきんさんと福上さんの留まるところを知らない掛け合いが席捲するなど今夜の波乱含みの展開を予感させる。
で、ひとしきりトークを重ねたところで、福上さんが舞台へ。
前回は自前のオフビートなネタを披露していたが、今回は伝統芸の一つ南京玉すだれに挑戦する。
が、そこは福上さんだけに、何かがついている。
必死のぱっち、でありながら、脱臼につぐ脱臼。
オフビートな南京玉すだれに仕上がった。
続いては、遊真さんが高座へ。
何度もかけているネタで申し訳ないのだけれど、と断った上で、その代わり、江戸時代の時間区分(0時・24時=九つ云々といった)を丁寧に説明してから、本題の『時うどん』へ。
先日、たまたま先代の小さんさんが演じる『時そば』をネットで耳にしたばかりだが、江戸の『時そば』が蘊蓄語りというか、一人語りの部分に重きを置いているとすれば、上方の『時うどん』は、一人のしぐさばかりでなく相手とのやり取りに面白さがあるのだなあ、と改めて思う。
遊真さんの『時うどん』を聴くのはこれで何度目かだが、そうした登場人物のやり取りの部分が大切にされており、かつそれがしっかり笑いに繋がっていて愉しい。
三番目は八斗さん。
『時うどん』には以前嫌な思い出があって、と早速語り出す。
漫才中心のあるライヴに出演した際、持ち時間が僅か2分しかないというのに、すでに『時うどん』を演じるとアナウンスがされている。
さて、どうしたものかと思案した末に演じたのが高速『時うどん』。
で、その高速『時うどん』を八斗さんはマクラ代わりに演じてみせた。
本寸法の遊真さんの口演もしっかり「伏線」となって、いやあ笑った。
さて、本題のほうは『厩火事』。
今日も今日とて、仕事もせずにぐうたらしているこれぞまさしく髪結いの亭主と喧嘩した女は、世話焼きの男のもとへ愚痴をこぼしにやって来る。
そんな女に男が入れ知恵したのは、亭主が自分のことをどう思っているのか試してみろということで…。
といった具合のおなじみの古典である。
八斗ママという惹句じゃないけれど、女性を演じることに愉しみ喜びを感じている八斗さんらしく、鼻にかかった声で演じる女房がまず肝。
が、最後の最後に登場する亭主のちょっとした色悪ぶりもまた八斗さんの柄に合っていると思った。
トリは、サプライズゲストの桂ぽんぽ娘さん。
錦湯さんへの久しぶりの登場だ。
マクラ代わりに、7月2日に祇園花月で開催される『桂ぽんぽ娘の京都ピンク花月〜第二夜〜』(桂楽珍さん、タナからイケダのお二人、遊真さん、そして日本エレキテル連合のお二人などの出演)の宣伝をしっかりやってから、本題の『ICOCCA(いこか)娘』を演じた。
まさしく因縁のネタである。
それをこの場でかけるというのがぽんぽ娘さんの真骨頂だろう。
むろん、支配人が月亭太遊さんから三幸さんに変わったということも大きいだろうが。
その内容も含めて、ぽんぽ娘さんの退かない姿勢が全面に押し出された高座だった。
そのまま最後の大喜利に突入。
遊真さんの仕切りで、お題に挑むといういつもの形式だったが、今回は前代未聞空前絶後の乱打戦。
ちきんさんと福上さんの攪乱プレイあれば、八斗さんはお客さんに向けての解答を連発し、むろんのことぽんぽ娘さんは下ネタを繰り出す。
遊真さんの奮闘と大喜利猛者のゴハさんの耐え忍ぶ姿も強く印象に残った大喜利だった。
結局2時間半。
何が起こるかわからないThe錦湯へ皆さんもぜひ!
大喜利で、ゴハさんにいつものフレーズをとられたこともあって、今回の〆の言葉は以下の通り。
ああ、物凄かった!!
2017年06月06日
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