2017年05月25日

第24次笑の内閣『日・米・韓 春のツレウヨまつり』アメリカ編

☆第24次笑の内閣『日・韓・米 春のツレウヨまつり』アメリカ編

 作・演出:高間響
 ドラマトゥルク:神田真直
 演出補佐:小原藍、吉岡ちひろ
(2017年5月24日19時開演の回/アトリエ劇研)


 さて、どんじりに控えしは!
 第24次笑の内閣『日・韓・米 春のツレウヨまつり』の最後は、アメリカ編である。

 すでに日本編、韓国編の感想に記したのであえて筋立てに関しては繰り返さない。
 かつてはゼネラルモーターズの工場で栄えに栄えながらも、工場の閉鎖とともに一気に荒廃の極へと転じたアメリカ合衆国はミシガン州フリントがこのアメリカ編の舞台である。
 日本編、韓国編と同様、偏った思想信条を妄信することの狂気や国を愛することって一体なんなんだろうといった疑問が笑いをまぶしながら提示された作品なのだけれど、アメリカのラブコメディ(詳しくいうと、スクリューボールコメディ?)タッチの劇の造りに、おちょくりの対象があのトランプ(支持者)ということもあって、滑稽さ、おかしさ、邪劇性が強く表に出ていたように感じられた。

 そうした結構構造も大きく手伝ってだろう、韓国編と一転、キュートで健気な人物造形の中に人生智というか芯の強さが垣間見えたヒロイン役の熊谷みずほ、一途に流されていくような彼氏をナイーブに演じた立花葛彦、型に固めたゼミの左翼教授役の小林まゆみ、逆に今現在の自分自身から演技をスタートさせるヒロインの父役の河合厚志と、演者陣は役柄と演者自身の距離、関係性を強く感じさせる演技を行っていたのではないか。
 中でも、笑の内閣の「常連の容疑者」じゃないや「常連の破壊者」ピンク地底人2号のはっちゃけぶりと静かな部分での佇まいのコントラスト(彼女は単にはっちゃけているからではなく、この極端なコントラストが魅力である)に惚れ惚れとした。
 また、丸山交通公園もピンク地底人2号とのコメディーリリーフの場面ばかりでなく、終盤の真情吐露にこれまでの積み重ねが窺えたし、髭だるマンはここでも土台石というか安定した演技を行っていた。
 そして、技術の長短では収まらない味わいを持ったヒロインの父の部下役の山下ダニエル弘之が忘れられない。

 と、『ツレウヨ』は日本編、韓国編、アメリカ編と三本重ねて観るとなお愉しいこと間違いなし。
 ああ、面白かった!!

 そして、終演後は3万円を出してアフタートーク権を買い取った姉川やえさんが登場。
 なんとこの姉川さんは髭だるマンの彼女ということで、髭君、それに舞台監督で姉川さんの同居人稲荷さんを後見人にして高間さんとオフビートなトークを繰り広げた。
 それこそ身内、内輪ネタの極みだけれど、例のデリケートな問題に触れる発言なんかもあったりして、これはこれで大いに愉しめた。
 姉川さん、髭君、末永くお幸せに!!!!!!
posted by figarok492na at 02:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 観劇記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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