2017年05月20日

月亭太遊さんのネオラクゴ・エアロポリス

☆ネオラクゴ・エアロポリス

 出演:月亭太遊さん
(2017年5月19日19時半開演/浮島ガーデン京都)


 この4月から別府は清島アパートに拠点を移して九州での活動を開始した月亭太遊さんだが、その活動開始の報告を兼ねた「太遊説(たいゆうぜい)」というツアーを現在行っている。
 昨夜の東京でのネオラクゴ・メトロポリスを無事終了し、今夜は京都・富小路六角上ルの浮島ガーデン京都2階フリースペースでネオラクゴ・エアロポリスを開催した。
 さすがはすみます芸人として活動してきただけに、月亭太遊さんのネオラクゴに触れたいというコアなお客さんが集まって、ここしばらくの餓え(かつえ)を払拭していたのではないか。

 序盤の30分ほどは、スタンダップ形式のその名も「別府おもしろ漫談」で盛り上げる。
 確かに、別府での太遊さんってどんな感じだろうという疑問はどのお客さんだとてお持ちだろうから、これは非常に道理にもかなっている。
 清島アパートでの生活スタイルや別府の美味しいもの情報等々に加え、例えば錦湯さんでもそうだったように、太遊さんが「呼ぶ人」であることも改めて痛感し、実に面白かった。

 そして、その後の1時間ほどは、黒地に白の月をあしらった意匠の新しい見台を前にして、ネオラクゴ3本が演じられた。

 まずは、『場末のバステト』から。
 気がつけば猫の捨て場になってしまった酒場のバステトのおばさんが主人公となった作品で、今は亡きばってん荒川を彷彿とさせる熊本弁がまずは肝。
 さらに、ストーリーの突然のワイプにも笑わされるが、それに加えておばさんの孤独、一人で生きる姿が巧く描き込まれたおかかなしい作品だとも思った。

 続いては、ネオラクゴの十八番の一つとも呼ぶべき『くぐつぐつ傀儡軒』。
 ラーメン好きの男が訪ねた店は、なんとラーメンをロボットがつくるというのが売りの傀儡軒で…。
 すでに展開は知っているというのに、ここぞという部分でついつい笑ってしまう。
 仕掛けそのものもおかしいし、太遊さんの演じ具合もまたおかしいのだ。
 そして、最近の世の中の変化にも本当にぴったりの作品である。

 最後は、『山城ヨチムーランド』が選ばれた。
 夢のテーマパークということで、きっとあそこだろうと思ったところが大間違い。
 連れの友人が連れて行こうというのは、京都府内にある山城ヨチムーランドなる奇怪なテーマパークで…。
 これぞネオラクゴ中のネオラクゴと言っても過言ではない怪作だ。
 それにしても、あの夢の数々は凄い。
 夢野久作ならぬ夢歠歙搾とでも記したくなるような悪夢ぶり!

 と、ネオラクゴの神髄を味わうことのできた一夜でした。
 ああ、面白かった!!
 そして、近いうちにぜひとも別府に足を運びたい!!
posted by figarok492na at 01:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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