2017年05月16日

The錦湯 第2回 〜愛の彼方に〜

☆The錦湯 第2回 〜愛の彼方に〜

 出演:月亭方気さん、林家染八さん
(2017年5月15日20時開演/錦湯)


 改名2回目となるThe錦湯は、支配人の桂三幸さんがネタ探しの旅でお休み。
 ということで、副支配人(筆頭?)の月亭方気さんの仕切り、お久しぶりとなる林家染八さんがゲストという二人会となった。
 で、今夜は常連さんよりも、リピーターさんやご新規さんのほうが多かったかな。
 そうそう、いつにも増して女性率が高し!

 定刻20時となったところで、軽やかなジャズのリズムに乗って染八さんが高座へ。
 いつもならばトークがあるのだけれど、諸般の事情で早速高座に上がった旨、まずは染八さんのトーク代わりの説明から始まる。
 その後、今場所の話題や弱小力士服部桜などについてマクラで語ったのち、本題の『大相撲風景(相撲場風景)』に入る。
 相撲場に集う人々の無茶無体ぶりをデフォルメして描いたオムニバス的作品で、その無理無体ぶりがくすぐりとなっている。
 後半、小便のネタも出てくるのだけれど、染八さんは熱心な取り組みで登場人物のあほさと人の好さのほうがよく出ていた。

 続いては、副支配人の方気さんが登場。
 静岡での仕事(帰り)中アクシデントが発生、まさしく痛み入る状況なれど、そこは方気さん果敢にネタ下ろしに挑む。
 留守中の妾宅に忍び込んだ泥棒、戻って来た女に凄んでみせるが、この女こそあの毒婦高橋お伝の流れを組んだ元泥棒で…。
 といった展開のおなじみ『転宅』だ。
 女性の役を演じてみたかったという方気さんの言葉通り、間抜けな泥棒を手玉にとる女の機転の効きぶりが肝となる噺だけれど、方気さんの場合は、終盤泥棒が自分の間抜けさ加減を思い知らされる場面でのばあさんの追い込み具合と泥棒の追い込まれ具合も見せ場になるのではと思った。
 これからの方気さんの口演が愉しみである。

 三席目は、再び染八さん。
 おなじみ古典の『粗忽長屋』をかけた。
 千差万別十人十色、演じ手が変われば噺そのものも変わってくるというが、この『粗忽長屋』はそのよい見本なのではないか。
 染八さんの演じる『粗忽長屋』は、オーソドックスな筋運びの中に登場人物たちと染八さんの人柄の良さが垣間見える高座となっていた。
 ここぞというところでの、声の張り具合も強く印象に残った。

 トリは、方気さん。
 庭に飛び出た隣家のタケノコを巡る、可内(ベクナイ。使用人)を挟んだお武家通しのやり取りを描いたその名も『たけのこ』という古典を演じた。
 短く軽めの噺だけれど、表情等々、要所のメリハリで方気さんはしっかり笑いを生んでいた。

 お題の準備がなかったこともあり、今回は大喜利はなし。
 落語家ならではのよもやま話で盛り上げて、会を〆た。

 と、今夜は落語4席におしゃべりというアットホームでインティメートな雰囲気に満ちたThe錦湯でした。
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 00:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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