2017年04月18日

錦湯劇場 新生第3回(通算第28回)

☆錦湯劇場 新生第3回(通算第28回)

 出演:桂三幸さん、桂三実さん、笑福亭智丸さん、月亭遊真さん
 大喜利出演:ぷるーとさん
(2017年4月17日20時開演/錦湯)


 あいにくの雨、それも本降りの雨となったが、今夜も錦湯さんはなかなかの盛況。
 新年度に新体制ということもあってか、おなじみ常連さんや定着するリピーターさんに加え、少なからぬご新規さんとここのところ顔ぶれに変化が生じてきたかなというのが、率直な印象だ。
 そうそう、今夜は雑誌のPOPEYEの取材の方も来られていた!

 新支配人桂三幸さんの差配2回目となる今夜は、「ビリートップvs嵐(三幸さんのこと)」と題して桂三実さん、笑福亭智丸さん、月亭遊真のビリートップ勢が出演、三幸さんと激しい笑いのバトルを繰り広げた(?)。
 定刻20時頃、やおら三幸さんと弟弟子にあたる三実さんが登場、さらに智丸さん、遊真さんも加わって各々の紹介を兼ねたトークで盛り上げる。

 頃合いのよいところで、出囃子の録音に乗って智丸さんが高座へ。
 自分の器の小ささを痛感したエピソードをマクラで語ってから本題の『転失気』を演じる。
 なんだかお腹が張って仕方ないお坊さんは、お医者さんから「てんしきはあるか?」と訊かれて思わずないと答えたのだけれど、実はこのお坊さん、てんしきとは何かを知らなかったものだから、小僧さんにそれを尋ねにやるが…。
 というおなじみの古典。
 智丸さんといえば、以前『有馬小便』という珍しい噺を錦湯さんで演じたことがあったっけ。
 もしかして、ちょっとス××ロの気で…。
 まあ、それは冗談として、粘らない語り口に節度の効いたキャラクター設定で後味のよい高座となっていた。
 小僧さんもなかなか可愛らしい。

 続いては、三実さん。
 若い衆が集まって一番好きなものは何か、一番怖いものは何かと語り合っているうち、一人の男が口にした一番怖いものとはなんと饅頭で…。
 と、これはもう言わずと知れた古典 of 古典の『まんじゅうこわい』だ。
 師匠文枝さんにつけてもらったということだけれど、スピーディーで快活なテンポとここぞというところのくすぐりでしっかり笑いが生まれていた。
 そして、その合間合間に三実さんの一筋縄でいかなさ、ファニーさが窺えたのも今夜の収穫だった。
 『征平吉弥の土曜も全開!!』で、時折桂吉弥さんが三実さんの名前を口にしているが、そのうち錦湯さんでも吉弥さん譲りの古典を聴くことができるかもしれない。
 三実さんの捻りの効いた新作とともに、それもまた愉しみだ。

 トリの三幸さんは、自作の『冬のゴルゴ』をかけた。
 世は経済不況、あの世界的な殺し屋ゴルゴ13も背に腹は代えられず、望まぬ仕事を引き受けなければならなくなって…。
 題名は、懐かしの韓流ドラマ『冬のソナタ』から来たものだけれど、削りに削って今では『冬のソナタ』の部分は消えてしまった、といった内情を以前錦湯さんで取り上げた際に三幸さんが話していたっけ。
 笑いのエッセンスを凝縮したいいとこどりの内容だけに、今夜も要所要所で仕掛けが活きて大きな笑いが起こっていた。
 ゴルゴ13がこてこての大阪人という設定自体もおかしい。

 で、大喜利を決行。
 ただし、そこは三幸さんだけに、独自の色合いを出す工夫がなされている。
 今夜は「宿題大喜利対決」と銘打ち、「こんな名前なら入門するんじゃなかった。どんな名前?」、「この泥棒育ちが良さそう。 その理由とは?」、「タワーマンションの最上階なのに激安、その理由とは?」というお題を数日前に公開。
 ビリートップ勢+大喜利愛好家のぷるーとさんが一人ずつ解答を発表し、それに三幸さんが対決するという一対一の大喜利勝負が組まれた。
 ときにトリッキーな答えを繰り出すビリートップ勢にぷるーとさん(途中、遊真さんの落研の後輩であることが発覚)に対し、三幸さんも見事応戦。
 特に、二番目の泥棒のお題での三幸さんの同じイラスト使い回し戦略には笑った。

 お約束(?)の引き分けののち、さらに「あたかも読書」も決行。
 何も書いてない本を開いてあたかも読書しているように即興作文に挑むもので、お客さん(わしじゃわしじゃ)からのお題をアレンジした「富士山の登り方」というのが今夜のお題。
 三幸さん仕切りの下、三実さん、遊真さん、ぷるーとさん、智丸さんが「らしい」言葉を重ねて見事(?)切り抜けた。

 と、今夜も盛りだくさんの錦湯劇場でした。
 雨が降ろうと何が降ろうと、月曜20時は錦湯さんへぜひ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 01:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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