☆錦湯劇場 新生第1回(通算第26回)
出演:月亭方気さん、リスナップ・藤本康志さん、銭湯熟女・湯毛さん
(2017年4月3日20時開演/錦湯)
前支配人月亭太遊さんが九州に移り、新支配人に桂三幸さんを迎えた錦湯劇場の新生第1回。
が、あいにくよんどころない事情で三幸さんはお休み。
ということで、月亭方気さんが差配を買って出た新年度一回目の錦湯劇場だったが、蓋を開ければ常連さんにリピーターさん、ご新規さんでなかなかの盛況となり、まずは何よりである。
で、これまでの雰囲気を一転、出囃子に乗って方気さんが登場し、颯爽と高座へ。
前回は新作をかけたけれど、今夜は古典二席を演じますとまずもって宣言。
お客さんの様子をうかがいつつ、本題の『天災』に入った。
錦湯さんでの『天災』といえば、少し前に桂あおばさんが演じたところだけれど、あなたあおばさんがお師匠のざこばさん譲りの無手勝流とすれば、こなた方気さんは歯切れのよいテンポでたったっと話を進めていく。
もちろん、そこは方気さんだけに、要所急所で表現をデフォルメさせてきちんと笑いを掴みつつだ。
紅羅坊奈丸の説諭のくだりも面白いが、男が別の相手に説教してやろうと飛び込んだあとの流れのよさが強く印象に残った。
続いて、漫才コンビ・リスナップの藤本康志さんが登場。
ちなみに、藤本さんは伊集院光と今は亡き名優日守新一を足して二で割って陽性にしたような感じの顔立ちの方で、お客さんに声をかけたりしながら、自己紹介を兼ねたおしゃべりでわかせる。
と、よい頃合いで銭湯熟女の湯毛さんが今度は登場。
あまりの銭湯愛が高じて、遂には錦湯さんで自らの写真を撮影、錦湯さんなど京都の限られた銭湯でしか手に入らない写真集まで発売を始めた湯毛さんだけど、藤本さんはその写真集を肴にしつつ湯毛さんから話を引き出していく。
湯毛さんのとぼけた口調と、時折藤本さんが繰り出す鋭いジャブがよいコントラストを生んでいた。
トリは、方気さん。
夏を見越してそろそろ怪談噺でもと、ホテルで起こったどっきりするようなエピソードで盛り上げてから、方気さんは『皿屋敷』を演じた。
姫路の古い荒れ屋敷は、昔々代官のはかりごとで殺されたお菊さんの幽霊が夜な夜な現れて、一枚二枚と皿を数えることから皿屋敷と呼ばれている。
それを聞き込んだ若い衆は、これはおもろいと皿屋敷に押し掛けるが…。
といった展開のおなじみの噺で、方気さん自身、ここ錦湯さんで一度かけたことがある。
『天災』同様、快活なテンポながら丹念に筋を運びつつ、ここぞというところで表現を大きくして笑いを生み出した。
最後は、方気さん、藤本さん、湯毛さんの三人による大喜利が行われた。
ただし、これまでの太遊さんが仕切りに徹する大喜利とは趣を変えて、今夜は方気さんと藤本さんが掛け合いを重ねながら回答していくというスタイル。
二人の息がよく合っている。
そして、その隙間をぬって湯毛さんがオフビートなぼけを口にしていた。
と、新生第一回目の錦湯劇場も盛りだくさんでした。
毎週月曜20時は、皆さんも錦湯さんへぜひ!
ああ、面白かった!!
2017年04月04日
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