☆毎週月曜 錦湯劇場 第22回
出演:桂三幸さん、桂あおばさん、月亭太遊さん
大喜利出演:あふろだんぺーさん、ゴハさん、宇多川どどどさん、たまいさん
(2017年3月6日20時開演/錦湯)
弥生三月を迎えたもののまだまだ寒さの残る京この頃だが、今夜の錦湯さんはご新規さんにリピーターさん、常連さんとまんべんなく集まっての大盛況で、一足先に春本番といった感じとなった。
22回目となる「毎週月曜 錦湯劇場」は、支配人の月亭太遊さんにほぼレギュラーの桂三幸さん、お久しぶりの桂あおばさんが出演。
はじめ、三幸さんと太遊さんがトークを繰り広げ、準備万端整ったあおばさんがそこに加わって、長丁場のトークで大いに盛り上げた。
で、加減のよいところで、あおばさんが高座へ上がって古典の『天災』をかけた。
今日も今日とて嫁を殴り、実の母を殴った男に対し、隠居が紹介したのは紅羅坊奈丸なる心学の先生で…。
といった展開で、上方ではあおばさんのお師匠さんにあたる桂ざこばさんが十八番としている噺である。
当然、あおばさんもざこばさんより稽古をつけてもらっていて、男のいらち暴力ぶりと語り口の端々にざこばさんから受け取ったものが明らかに示されていた。
一方で、ざこばさんの『天災』がある種私落語的というか、すぐさま暴力に訴える男の持つ狂気であるとか生き辛さとざこばさんが深く重なっているとすれば、あおばさんの『天災』はあおばさんの屈託のなさ、明るさが強く出て、陽性な話に仕上がっているように感じた。
それにしても、男と奈丸のやり取りはやっぱり面白くて、終了後の常連さんとの会話の際に、ついつい似たような口調になってしまった。
続いては、三幸さんが登場する。
まずはR-1ネタをパロって掴みはOK。
三幸さんの本題は、師匠文枝さん(三枝さん時代)の新作『立候補』。
生徒会(児童会)の会長選挙に立候補した息子のために、父親は母親とともに選挙演説を考えるのだが…。
という具合に進んで行く作品で、最近の話題がふんだんにくすぐりとして盛り込まれており、大いに愉しむ。
そして、いざ選挙演説の段で、家族構成について触れるあたりはやはり文枝さんらしいなあとも思ってしまった。
三幸さんは肩肘張らない筋運びで、話がすうっと腑に落ちた。
トリは、月亭太遊さんのネオラクゴ『道化』。
TBS系列の有名な有名人密着番組を巧く取り込んだ構成で、21世紀を生きる道化役者の道化ぶりを滑稽に描いた作品だ。
道化役者の言動はまさしく仕掛けだらけでついつい笑ってしまったが、それと同時に、この作品の持つ主題について改めていろいろと考えたことも事実である。
まもなく九州へと旅立つ太遊さんだけに、道化の言葉はただただ軽いだけではない。
落語三席のあとは、太遊さんの仕切りによる大喜利。
作家の桜井さんが考案したお題の中からあえてエッジの効いた初期のものを選んだのは、もしかしたらあふろだんぺーさん、ゴハさん、宇多川どどどさんという大喜利猛者が居並んでいたからか。
実際、大喜利直球勝負といった趣のあふろだんぺーさん、独特な風貌でフラのある軟投派のゴハさん、暴投暴走も辞さない宇多川どどどさんは、各々の特性を発揮して果敢に解答を重ねた。
特に、どどどさんの「キ×ガイ」ぶりは後半大喜利の進行を左右していたほどだった。
もちろん、三幸さんはプロとしてコンスタントにヒットを飛ばしていたし、ラッパーのたまいさんも大健闘。
そして、退き際の魔術師というか、いつもは一歩二歩と退くことで笑いを巧く生むあおばさんも今夜は負けじと解答を続けていた。
当然、太遊さんの八面六臂の仕切りが大きいことは言うまでもないが。
と、まさしく盛りだくさんの内容でした。
毎週月曜20時は、錦湯さんへぜひ!
(ちなみに、来週は太遊さんはお休みです)
ああ、面白かった!!
2017年03月07日
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