☆毎週月曜 錦湯劇場 第19回
出演:月亭天使さん、月亭太遊さん、BAVAAALさん、ターザンさん
大喜利出演:諸行亭夢常さん、伊達努さん、かおりーんさん
(2017年2月12日20時開演/錦湯)
いやあ、寒い。
京都の冬は本当に寒い。
そんな寒さの中で開催された「毎週月曜 錦湯劇場」だが、昨夜も常連さんにリピーターさん、ご新規さんとけっこうな入りでまずは重畳重畳。
19回目となる今回は、支配人の月亭太遊さんのほか、おなじみ月亭天使さんにターザンさん、二週連続となるBAVAAALさんが顔を揃えた。
各々の紹介を兼ねたトークで場を温めたのち、まずはターザンさんのネタから。
「占い芸人」の肩書があって、しかもこの占いが滅法あたるという評判のターザンさんだが、ここ錦湯さんではもう一つの顔、というと大袈裟だけれど、仏教への興味関心の強さを活かした説法漫談とでも呼ぶべきスタイルのネタをかけている。
昨夜もその説法漫談を披露したが、お寺の若いお坊さんといった風貌と訥々とした語り口はいつもの如くなれど、回を重ねるごとに堂に入ってきていることがわかる。
この調子で、ターザンさんの活動の場が今後いろいろと拡がっていくのではと思わされた。
(って、中瀬の予想もそこそこ当たるんですよ)
続いては、天使さんが高座へ。
お久しぶりということで、まずはその挨拶から。
で、ここではあえて古典を演じると断ってからおなじみの『鷺とり』へ。
『鷺とり』といえば今は亡き枝雀さん、そして自分の師匠の文都さんもかけている、と語りつつ、遂にはサゲの部分まで口にした天使さん!
だけれど、そこは御安心。
調子がよくて一本抜けた男が鷺をとりに出かけたまではよいが…。
という奇想天外な話を、テンポよく軽快に明るく演じ切った。
もちろんサゲもハッピーエンドで。
三番目は、BAVAAALさん。
前回はバーレスクならぬバカレスクで錦湯さんに笑激を与えたが、今回は自ら描いた紙芝居を口演する。
長めの桃太郎に短めの金太郎。
ははあ、センサールマンさんみたく昔話を今風に改めたものね、と思ったあなたはだいぶん正解。
でも、センサールマンさんというより、筒井康隆の『晋金太郎』により近いかな。
てか、姿勢はさらにはっきりくっきり。
BL(BAVAAALさんだけにババール・リバティの略じゃないよ)という指向・嗜好を加えつつ、毒の強い作品に仕上がっていた。
まさしくゲリラ戦の笑い。
そんなBAVAAALさんを受けて、トリの太遊さんが選んだネタは『にんべんにうし(件・くだん)』。
顔は人身体は牛なる存在で生まれてすぐに悪事凶事を預言して死んでしまうという、件・くだんを主人公にしたネオラクゴ。
むろんそこは怪談ならぬ快談(戒壇)だけに、預言をしても死なない、死ねないところが話のミソとなっている。
細かいくすぐりもぴしぴしっと決まっていて大いに笑ってしまった。
ただ、太遊さんの預言というか予想は相当当たるので、そこらあたりはちょっと怖いかも。
さらに、昨夜は大喜利を決行する。
太遊さん仕切りの下、作家の桜井さんが考案したお題に出演者が挑むというスタイルである。
今回は、天使さん、ターザンさん、BAVAAALさんの他、太遊さんとイベントを行ったDJの諸行亭無常さんに伊達努さん、そして客席にいたかおりーんさん(以前、マトリョミンを披露)が登場したが、BAVAAALさんの紙芝居の影響か、けっこう毒っ気のある答えが飛び出したりもする。
で、最後は、太遊さんの愛ある指導に応えて「逃げず」に堪え切ったかおりんさんで〆た。
そうそう、イラスト作家の伊達さんやBAVAAALさんの絵の巧さと天使さんの粗々しい絵の対比も面白かったのだった。
と、長丁場、盛りだくさんの会でした。
厳しい寒さに負けないためにも、毎週月曜20時は錦湯さんへぜひ!
ああ、面白かった!!
2017年02月14日
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