☆毎週月曜 錦湯劇場 第17回
出演:月亭八斗さん、月亭八織さん、ターザンさん
(2017年1月30日20時開演/錦湯)
よんどころない事情で支配人の月亭太遊さんがお休みとなった、17回目の「毎週月曜 錦湯劇場」。
あいにくのお天気に強まる寒さと厳しい状況だったが、ネットで調べてやって来たというご新規さんや久しぶりの常連さんとなかなかの入りとなって何より。
まずは、月亭八方さんのお弟子さんである月亭八斗さんの仕切りの下、同じく八方さんのお弟子さんである月亭八織さんと占い芸人のターザンさんが自己紹介を兼ねたトークを繰り広げた。
その手探り感も面白い。
で、頃合いを見計らって、八織さんが高座へ。
いつもの袴とは違う着物姿の八織さんが演じたのは、柳家喬太郎さんにつけてもらったという『母恋いくらげ』。
海の世界にデビューしたくらげの子供くらのすけだったが、突然の天候の変化で海沿いの道路に出来た潮だまりに一人取り残されてしまう…。
といった、人情味も強いお話。
一方で、道路を走るバスの車内(小学生一行が乗車)での古いヒット曲の連続パンチなどくすぐりも豊富だ。
八織さんは今は亡き横山ノックもびっくりな表情を繰り出したりもしながら、キャラクターをしっかり演じ分けていた。
続いて、ターザンさんが登場。
はじめにフリップ(画用紙帳)を使った占いネタでお客さんとの距離を詰めていく。
今夜は稀なる手相の持ち主の方が複数来られていた。
一転、後半は仏教を主題にしたネタへと変わる。
訥々淡々としたターザンさんの語り口には、思わぬ説得力があるなあ。
そうそう、一度ターザンさんに占ってもらわないと。
トリは、八斗さん。
マクラでは、ターザンさんとの繋がりもあって占いについてや今年初めの運試し(おみくじ)などについて語る。
で、初めて落語に接するお客さんもいるということで選んだネタは『ちりとてちん』。
腐った豆腐を長崎名産「ちりとてちん」と偽って、なんでもかでも知ったかぶりして文句を口にする男に食べさせてやろう…。
といった具合のおなじみの古典落語で、そのたくらみが始まる前の部分、前半の会食のやり取りから八斗さんは丁寧に演じ上げる。
銘酒白菊に鯛のお造り、茶碗蒸しと実に美味しそうだ。
が、後半になって急に話が脱臼を始める。
終演後の八斗さん曰く、錦湯という「ネオラクゴ」の聖地ゆえ何かが降りてきたということだったが、加えてそこに僕は八斗さんの桂三河さん愛(深い友情)も感じ取った。
いずれにしても、錦湯劇場ならではの『ちりとてちん』を聴くことができた。
(なお、かつてネオラクゴ・フロンティア、ネオ落語・セントラルのレギュラー陣であり、今は住みます芸人として秋田にある三河さんが、4月8日に大阪・福島は八聖亭で「第1回桂三河全力落語会in大阪」を開催する。スタートは15時で、前売1500円。皆さん、こちらもぜひ!)
最後は、再び三人のトーク。
ターザンさんの占いに関してや、月亭一門などの話題で盛り上げた。
と、4月以降のポスト太遊体制を窺わせる今夜の錦湯劇場も盛りだくさんでした。
毎週月曜20時は、ぜひぜひ錦湯さんへ!
ああ、面白かった!!
2017年01月31日
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