2016年11月15日

錦湯劇場 第6回

☆毎週月曜 錦湯劇場 第6回

 出演:桂三幸さん、月亭方気さん、月亭八織さん
(2016年11月14日20時開演/錦湯)


 6回目となる「毎週月曜 錦湯劇場」は、よんどころない事情で支配人の月亭太遊さんはお休み。
 しかも、あいにくの雨、それも強い雨ということだったが、桂三幸さん、月亭方気さん、月亭八織さんというおなじみ顔触れの出演でご新規さんのお客さんもあったりして、重畳重畳。
 そういえば、昨夜は女性のお客さんの率が非常に高かった。

 で、8時を少し過ぎたあたりでテープの出囃子とともに方気さんが登場。
 マクラで地方のお仕事の際のエピソードを語って盛り上げたのち、本題へ。
 田舎のお話という方気さんの前振りに、ほんの一瞬だけ『手水廻し』かなと思ったが、話は「ぼっかぶり(大阪の方言でゴキブリのことだそう)」を巡る騒動へと進んで行って…。
 こんな古典があったんだとネットで調べてみたら、実はこれ、その名も『ぼっかぶり』という2013年の上方落語台本大賞の入選作だそう。
 クラシック音楽でいうところの「新古典派」てな感じかな、登場人物のやり取りや筋の運び方もよく古典の骨法が押さえられている。
 それを方気さんが丹念に演じており、こうした具合に噺が残っていくのだなと改めて感心させられた。
 そうそう、前回登場時、食あたり三連発の影響で相当スリムになっていて、同業者ならぬ同病者としては、ふと柳家喜多八さんのことを思い起こしたりもして心配したのだけれど、今回はすっかり快調の様子で何よりだった。
 師匠の八方さんを通り越して大師匠の可朝さんにも通じる無頼派の趣きのある方気さん(太遊さんには隠れ破滅派の傾きあり…)だが、40代、50代の方気さんが演じる『らくだ』をぜひ聴いてみたい。
 それこそ、笑いと軽さの中に虚無をためた凄味のある『らくだ』になりそうなので。
 元気で長生きも藝のうち。
 こちらも養生します。

 続いては、今宵も袴姿が見目麗しい八織さん。
 八織さんの描いたイラスト(八聖亭で開催される「月亭八方の午前落語」のチラシをご参照のほど)に触発されて最近絵を学び始めたという八方師匠の話題から、動物の話題を経て本題の『狸の賽』を演じる。
 恩返しにやって来た子狸に男が頼んだのは、博打のための賽ころに化けること。
 巧く化けおおせたぞと大喜びの男だったが…。
 というおなじみの噺。
 要所急所を押さえたテンポのよい口演で、子狸のかわいらしさが強く印象に残る。
 また声の通りの良さも八織さんならではだ。
 なお12月1日は、JR二条駅近くのフリッツKで二回目の落語会が予定されているとのことで、ご都合よろしい方はこちらのほうもぜひ!
 ちなみに、12月10日には八聖亭で方気さんの勉強会「ヤタケタ」も予定されているとのことで、こちらのほうもぜひ!
(先日、八織さんは月亭八斗さんとペアで日本センチュリー交響楽団とお仕事をされていたが、八織さんと男性の落語家さんでプロコフィエフの『ピーターと狼』なんかやったら面白そうだなあ)


 トリは、桂三幸さん。
 準備万端の三幸マクラを次々と披歴して、しっかりと笑いを取る。
 まずはこうこなくっちゃ。
 で、ほどよいところで新作の『遺産相続』に入る。
 亡き父の遺言書が兄弟のもとに届けられたのだけれど、これがなんとも一筋縄ではいかない代物で…。
 すでに、錦湯さんでは何度かかかった作品だが、兄弟ごとの遺言の中身が笑えるし、遺言書にまつわるちょっとした知識も巧みに盛り込まれていてありがたい。
 加えて、臨機応変のくすぐりも面白かった。
(あいにく京都は雨でスーパームーンを観ることはできなかったけれど)
 それと、遺言書の入った封筒のくたびれ具合が妙にリアルでおかしかったんだった。
 できればこれはしばらくそのままでいて欲しい。

 それから私服に着替えた方気さんと八織さんが再登場し、八方師匠や一門の話題についておしゃべりしているところへ、仰々しい音楽に乗ってサングラスをかけた苦み走ったいい男が登場=三幸さんという出オチ。
 で、しばらくおしゃべりを続けてたのち、大喜利が始まる。
 作家の桜井さん考案のお題に出演者の面々が挑むというもので、はじめ仕切りに専念していた三幸さんも解答をはじめ、途中からはお客の鬼瓦さん(って誰やそれ? わしじゃわしのことじゃ!)にもフリップが回るという錦湯劇場ならではの展開となった。

 と、今回も盛りだくさんで盛り上がった錦湯さんでした。
 毎回変化に富んだ「毎週月曜 錦湯劇場」へ皆さんもぜひ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 08:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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