☆ネオ落語・セントラル 第49回(ネオキャクノセントラル)
出演:バッテンなかちゃんさん、道楽亭くりりん君
大喜利出演:宇多川どどどさん、棚卸し代行ハウスさん
(2016年9月27日20時開演/錦湯)
2014年10月のネオラクゴ・フロンティアのスタートから通算99回目(てことは、次回は栄えある100回目!)を迎えたネオ落語・フロンティアは、演芸の極北というか、これまでの総決算集大成というか、遂に来るところまで来た内容。
と、言うのも、月亭太遊さんは埼玉県川口市は喜楽湯さんで開催されるENGEIゆでたまご出演のため二週続けてのお休み。
に、加えて、芸人さんも一切いない。
つまりは、プロの方が一切存在しないという緊急事態。
結果、太遊さんの呼びかけに応じてネオ落語・セントラルの常連さんが総合司会を務め、落語を演じ、はては大喜利を仕切って解答する、題して「ネオキャクノセントラル」なる無謀っちゃ無謀、ある意味ネオの中のネオとでも呼ぶべき稀有な回となった。
(正直、今回は感想が書きにくいんだよね。なんだか落語の『刀屋』みたいになって。以下、私小説ならぬ「私感想」とでも思し召せ)
すでに「ネオキャクノセントラル」(芸人さんがいない)とツイートされていたにもかかわらず、コアな常連さんが集ったということもあり、20時を少しおしたあたりで会が始まる。
まずは、バッテンなかちゃん(九州弁の「ばってん」と「×点」がかかっているらしい)なる九州出身の物真似素人芸人が登場。
どうやらこの人物は錦湯さんでの会の進行をよく心得ているようで、お客さん相手に太遊さん不在の理由などを説明していく。
素人ゆえ拙いべしゃりではあるが、そこはご勘弁のほど。
そうそう、ある常連さんに指摘されたけど、あの首が開いたピロピロのTシャツ(ピロT)だけはいただけない。
あれじゃあ、「着れるゴミ」(by常連さん)だよ。
(当人が言うに、物真似もやるつもりだったが、若いお客さんの前で中村伸郎や花沢徳衛、田中明夫、高木均、三谷昇がネタではきょとんするだろうからとパスしたそう)
で、そこそこ時間を稼いだところで、道楽亭くりりん君が高座に上がる。
道楽亭くりりん君は、くりりんの名でこれまで大喜利に出演してきたけれど、実は京都大学落研のベテランさん。
マクラで今回高座に上がるに到った理由なども話してから本題の『たがや』へ。
さすがはベテランだけあって、所作が様になっている。
そして、楷書の語り口と通る声質でおなじみの古典(新しくネタにしたものだそう)を演じ切った。
と、今度は何をとち狂ったのか、三憂(!)亭凡馬なる人物が高座へ。
曰く、自分は昭和の大名人の破門弟子を称した老人に数年間落語を習った人物である(ここら辺はあとでややこしくなりそうなので、カット)、まあ25年近く高座に上がっていないので、上下等所作の見苦しさはお許しをとマクラで言い訳をしたのち、本題へ。
錦湯さんでは、月亭遊真さんが巧みに口演したことのある古典の『子ほめ』。
細かい今様のくすぐりはありつつも、どちらかというと古い東京のスタイル(文楽系統?)の筋運びだなと思っていると、赤ん坊を誉める(言葉を間違える)段になって大脱線。
この凡馬さん、なんと『遠山の金さん』の裁きの場をまるまる挿入してしまったのである。
これじゃあ、トウシロウのキンシロウだ。
しかも、「このお子さんお幾つになられた」「七日の宮参りが終わったばっかりだ」「えっ、初七日が終わったばっかり、どうりで生まれたようには見えなかった」とサゲも不謹慎極まる。
ネオっちゃネオだけどの一場。
さらに会は続く。
セントラルでは欠かせない大喜利のコーナーも迷わず決行。
作家の桜井さん考案のお題に対して、再登場のバッテンなかちゃん仕切りの下、大喜利出演の宇多川どどどさん、棚卸し代行ハウスさん、くりりん君が解答していった。
くりりん君も含めて、流石は大喜利猛者たちだけあって、場繋ぎなども含めてコンスタントに解答を重ねていく。
昨夜は、バッテンさんが誘い水を向けたせいもあってか、どどどさんが下ネタなどもかまして攻めに攻める。
一方、棚卸し代行ハウスさんは論理性にも富んだくせ球を放って来る。
また、くりりん君は中継ぎでホールドを稼いだ。
そんな三人に対してバッテンさんはいささか独裁傾向さえある仕切りで、ネオ落語でおなじみの「正解」に加え、勝手なポイントまで付加。
それでも大喜利界隈の情報を聴き出したりした点は、これまでにあまりない収穫だったのでは。
結局、どどどさんがポイント3点(+MVP、並びに大喜利界隈の長門勇称号授与)、棚卸し代行ハウスさんが2・5点(+大喜利の哲人称号授与)、くりりん君が2点(+ホールド賞)、お客さんで解答した北川景子改め京塚昌子改め豊洲には引っ越ししたくない人さんが1・5点(+来週は美味しいものを持ってきて賞)、シェンロンさんがマイナス50点(+今度は落語をやりま賞)を獲得した。
最後は、バッテンさんが大喜利出演の面々やくりりん君、そして何よりお客さんへの心からのお礼と太遊さんに代わっての心からのお詫びの言葉で〆て、狂乱の一夜は幕となった。
と、本当に本当に何が飛び出すかわからないネオ落語・セントラル。
次回は100回目ということで、必ずやプロの面々が大集合することでしょう。
毎週月曜20時は、皆さんも錦湯さんにぜひ。
ああ、疲れた!!
2016年09月27日
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