☆ネオ落語・セントラル 第48回(月亭天使のネオ落語・セントラル)
出演:桂三幸さん、林家けい木さん、月亭天使さん
大喜利出演:貯蓄アンドザシティさん、あふろだんぺ〜さん、虎猫さん、ぷるーとさん
(2016年9月19日20時開演/錦湯)
三連休最後の夜、しかもあいにくのお天気にもかかわらず、昨夜もご新規さん、リピーターさん、常連さんと錦湯さんがなかなかの入りで、まずは重畳重畳。
48回目となるネオ落語・セントラルは月亭太遊さんはお休みで、「月亭天使のネオ落語・セントラル」のサブタイトルの下(って、これいいんですよね?)、三週連続となる桂三幸さん、東京からの林家けい木さん、そして天使さんの三人が顔を揃えた。
前々回の轍は踏むまいぞ(?)、スタートのトークからオン・モード。
初登場のけい木さんの紹介も兼ねた東西楽屋エピソードなどで盛り上げる。
で、ほどよいところで三幸さんが高座へ。
(ちなみに今回はじゃんけんに負けた順で高座に上がるという趣向)
師匠文枝(三枝)さんの新作『読書の時間』をかける。
愛読書の『竜馬がゆく』がない!
と慌てる夫に向かって、それなら息子が学校の読書の時間に持って行ったんじゃないのかと妻が応える。
ますます慌てふためく夫。
と、言うのも実はその本は…。
すれ違いのおかしさに細かいくすぐり、さらには文藝趣味と文枝さんらしい作品だが、三幸さんはメリハリの効いた表現で大きな笑いを生んでいた。
続いて、天使さんが登場。
先日開催されたNHK新人落語大賞予選で挑んだ『初天神』を演じた。
天使さんの『初天神』ならばすでに何度か接したことがあって、子供のにくかわいらしさの表現が強く印象に残っているのだけれど、今回は予選用に笑いのエッセンスをぎゅぎゅっと凝縮したバージョン。
テンポのよい筋運びに、天使さん流のアレンジも加わっておかしかった。
トリは、けい木さんが務める。
錦湯さんではおなじみとなった柳家かゑるさんらとの埼玉県川口市は喜楽湯でのENGEIゆでたまごを皮切りに、渋谷のHMVの落語会などでの太遊さんとの縁でネオ落語・セントラル出演となったけい木さんは、林家木久扇(前の木久蔵)師匠のお弟子さん。
2010年の入門(ということは、天使さんや太遊さんと同期)で、昨年二ツ目となった東京の若手落語家の注目株の一人だ。
まずは、じゃんけんで三人のお客さんに持参の手拭(木久扇師匠の絵柄)をプレゼントするという大盤振る舞いだったが、なんといの一番で勝ってしまった。
もちろん常連中の常連ということでのいんちきなど全くなし。
けい木さん、ありがとうございます!
で、マクラで大阪でのエピソード(後学のために飛田新地をのぞいた話など)を語ってから、本題の『磯の鮑』に入る。
遊んで儲けるほうはないかと尋ねる与太郎、ならば女郎買いの師匠のところに行けと隣町の梅村老人を紹介されるが…。
確か、けい木さんにとっては大師匠にあたる先代の正蔵(彦六)もかけていたはずだ。
関西で演じられる機会が少ないということで選ばれたいわゆる廓噺だが、艶っぽさよりも与太郎のとんちんかんぶりが際立つ展開となっている。
マクラから本題の初っ端辺りでは客席の様子をうかがっていたけい木さんだけれど、話が転がるところで俄然エンジンがかかって与太郎が暴走し始める。
今風今様のアレンジも効果的で、大いに愉しめた。
今のところなかなか京都に来る機会はないだろうけれど、ぜひまたけい木さんの高座に接したいものだ。
(『笑点』では馬鹿を演じている木久扇師匠だが、実はとびきりの才人の一人。手拭の絵柄もそうだけど、けい木さんの高座にもそのことの一端を感じたりした)
最後は、定番の大喜利を決行。
天使さん仕切りの下、三幸さん、けい木さん、貯蓄アンドザシティさん、あふろだんぺ〜さん、虎猫さん、ぷるーとさんが作家の桜井さん考案のお題に答えていく。
三幸さんのコンスタントな解答ぶりはすでに承知しているところだが、けい木さんもがちの即興大喜利に真っ向勝負。
随所で「江戸前の風」(by天使さん。もとは談志家元の表現)を吹かせた。
一方、ゲスト連も一人一殺ならぬ一答必笑の構えで、さすがは大喜利猛者連よと感心する。
あと、天使さんの仕切りには独特のフラがあってなんとも言えずおかしかった。
と、またまた盛りだくさんの回でした。
ときに江戸前の風も吹くネオ落語・セントラルに皆さんもぜひ!
ああ、面白かった!!
2016年09月20日
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