☆ネオ落語・セントラル 第46回
出演:桂三幸さん、月亭天使さん、月亭太遊さん
(2016年9月5日20時開演/錦湯)
まだまだ暑さは残るものの、夜になればあちらこちらから虫の音が。
そんな秋の気配をひしひしと感じる今日この頃。
昨夜は降るか降らぬか微妙なお天気だったが、それでも錦湯さんには常連さんやリピーターさんが集まった。
46回目となる今回のネオ落語・セントラルは、月亭太遊さんがブルーエゴナク『ラッパー』(9月9日〜11日、アトリエ劇研/前売2500円、同24歳以下2000円)の稽古のため途中参加ということで、約二ヶ月ぶりの登場となる桂三幸さん、二週続けての登場となる月亭天使さんのトークから。
いずれも勝手知ったる他人のわが家、ならぬ第二のホームグラウンド。
暴れはっちゃくしゃかりきコロンブスと大はしゃぎして無駄に空回りするようなことは一切なく、あれこれくすぐりを交えながらゆったりまったりとおしゃべりを続ける。
途中、冷房が入らないなどで一騒動もあったりしつつ、あらおかしとなごんでいるところで太遊さんが参上。
なんやこの状態は!
と一気にオンモードに。
稽古の具合や、先日無事終了した彦八まつりなどについて語り、結局1時間のロングトークとなった。
で、天使さんが高座へ。
マクラで身近な人の知ったかぶり具合にふれてから、『平の陰』(手紙無筆、無筆の手紙)に入る。
文字の読めない男、知り合いのところへと足を運び、届いた手紙を読んでもらおうとしたのだが、実はこの知り合いも…。
立場の逆転というか、会話を重ねていく中で知り合いのほうがどんどんどんどん追い込まれていく滑稽な様が肝のお話。
天使さんはテンポよく筋を運んでいって、要所要所で笑いを生んでいた。
続いては、三幸さん。
時間もあってか、マクラはこの間の近況を語るなど比較的短めで。
本題は、師匠の文枝さん(三枝さん)作の『宿題』。
(ちなみに、三幸さんが出したアイデアも一部取り入れられているとのこと)
会社帰りのお父さん、息子が塾の算数の宿題を教えて欲しいと言ってきたのだけれど、この問題というのがなんともややこしいもので…。
確かに算数の文章題って、そんなんありえへんやんと突っ込みを入れたくなるような設定が多々あるのだが、ここでは「つるかめ算」などの問題を巧く取り入れて、くすぐりの豊富な作品に仕上げている。
強弱のメリハリが効いた三幸さんの口演もあり、笑いどころがはっきりとわかって大いに愉しめた。
トリの太遊さんは、ネオラクゴの旧作『幻影百貨店(マーヤーデパート)』を演じた。
『オドロキモノノキ』の題でネタおろしした神戸・オルビスホールでの「オルビスの悲劇」をマクラで語ったのち、本題に。
その人にあった衣服を選んでくれるという特別な試着室を見つけ出してきて、と無理やり友だちに頼まれた女性は、神戸のとあるデパートに足を踏み入れたのだが…。
次から次へと繰り出す突拍子もない人物や状況がどうにもおかしい作品。
中でも、言葉のチョイスというか、形而上的(?)な設定が太遊さんらしい。
それにしても、こうやってネオラクゴを改めて聴くというのもやはり面白い。
かつてのカルティベイトではないけれど、ネオラクゴの旧作をまとめて聴く機会があればと思った。
最後は、ちょこっと大喜利。
天使さんが仕切りで、作家の桜井さん考案のお題に三幸さん、太遊さんが解答していくというもの。
先週の「大喜利ワークショップ」での太遊さんの解説にも触れながら、天使さんはお題を読んでいく。
コンスタントに応える三幸さんと、熟考する太遊さんの対比もおかしかった。
と、昨夜も盛りだくさんのネオ落語・セントラルでした。
まもなく通算100回目。
月曜20時は、毎週何が飛び出すかわからない錦湯さんへぜひ!
ああ、面白かった!!
2016年09月06日
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