2016年08月02日

桂三河さん送別特別企画 ネオ落語サンガサル

☆ネオ落語サンガサル

 出演:桂三河さん/桂ぽんぽ娘さん、月亭八斗さん、月亭天使さん、月亭太遊さん、桂恩狸さん、桂三実さん、桂文五郎さん、月亭方気さん、月亭八織さん、笑福亭笑利さん、月亭遊真さん
(2016年8月1日19時半開演/錦湯)


 当代桂文枝さんのお弟子さん桂三河さんといえば、月亭太遊さんの盟友的存在。
 栄えあるsection1(2014年10月7日)からまもなく二年間、ネオラクゴ・フロンティア、ネオ落語・セントラルと錦湯さんでの会にほぼコンスタント、準レギュラーとでも呼ぶべき頻度で出演を重ねてきた。
 特にセントラル改称後の第4回(2015年11月9日)、第28回(2016年4月25日)、第41回(先週。7月25日)では、不在の太遊さんに代わって会の重石を果たすなど、なくてはならない存在である。
 その三河さんが、今月5日、住みます芸人として秋田に旅立つ。
 すでにそのことは、先週のセントラルで三河さん自身の口から語られてはいたが、やはり実際三河さんの旅立ちが近づくにつれて、惜別の情はいや増しに増す。
 昨夜の錦湯さんには総勢11人の落語家が集合、その名もネオ落語サンガサルと題して三河さんを送る記念すべき会となった。
(三河さんの不在は、3シーズン目となる錦湯さんの会にも少なからぬ影響を与えるのではないか)

 もちろんそこはプロ同志、今は亡き桂小金治師匠のように「よかったあるねえ」と中国の残留孤児の方に語りかけて涙を誘うような真似はしない。
 チラシか広告か何かの裏にささっと書いた題字(サンガではなくサソガに見えたりもする)や似顔絵、ティッシュで造った花と飾り付けからしてやってる感満載だ。
 で、冒頭だけは「三河さん送別」っぽい感じで始まったトークもすぐさま脱線、カオス状態に突入したのは、ネオ落語らしい。

 ひとしきり盛り上がったところで、番組がスタート。
(なにせ11人の出演。ということで、前半部分、番組が前後している方もあるかもしれません。その点、ひらに御容赦)

 まずは、さっぱりした髪型と浴衣姿で歌舞伎の御曹司然とした月亭遊真さんから。
 三河さんとの想い出をマクラで語り始めたが、一番のエピソードといえば先週のセントラルの帰りにずっとポケモンGOをされていて…。
 といった遊真さんの言葉に、三河さんも思わず口を挟む。
 実は、11人の番組が終わるまでお客さんから見て左端の椅子に三河さんが鎮座し続けるというのが昨夜の趣向の一つだったのだ。
(これは面白い、ではなくやりにくい?)
 そんなやり取りののち、遊真さんは本題の『子ほめ』をじっくりと語り終えた。

 続いては、桂文珍さんのお弟子さんである桂文五郎さんが登場。
 送別の辞でささっと切り上げる。
 弔辞になっているところが、ブラックを自認する文五郎さんらしい。

 三番目と四番目はテレコになっているかもしれない。
 常々かわいがってもらっているという桂恩狸さんは、食事をごちそうになったエピソードから、急性アルコール中毒になったとき三河さんに助けてもらったエピソードを語ろうとしたところで、このままだと長くなり過ぎるということか、スポットライトが消え、三河さんからも「チェンジ!」の声がかかる。
 それでも、事の成り行きを最後に手短かに説明したのは、三河さんのまさしく恩情、恩狸さんへの情けだろう。

 1990年代の東北のガイドと沖縄県の地図を贈呈した弟弟子の三実さんは、スマホから流れる音楽にのせて、三河さんのwikipediaの記事を音読してみせた。
 むろん、記事そのまんまということではなく、ここぞというところで三実さんの仕掛けが加わっている。
 三実さん、どこか一筋縄ではいかない。

 桂ぽんぽ娘さんは、ピンク落語で攻める。
 いつものマクラから、「三河と×××の違い」と三河さんを思い切りネタに使っていた。
 たじたじとたじろいで見せる三河さん。
 それでも、ぽんぽ娘さんは最後まで手を緩めなかった。

 遅れて参加ということになった月亭八織さんは、まずそのことを一言詫びたのち、送別の言葉入りのプレートのついたケーキをプレゼント。
(あとでご相伴に預かったが、さっぱりとした味わいのケーキで実に美味でした)
 それから、ちゃいちゃい寄席で三河さんがマクラの部分で「落語をしろ!」と酔漢に絡まれた話や、奈良での若手の落語会での出来事を披露した。

 禁酒で8キロやせた月亭方気さんは、三河さんもやっているらしき出会い系のアプリ「タップル」のネタ。
 笑いにまぶしつつ、赤裸々な自らの私事を語る辺りは「全身落語家」、大師匠の月亭可朝さんにも通じる鬼気迫る業のようなものをちらと感じた。
 長生きも芸のうち。
 方気さん、まだまだたのんまっせ。

 月亭一門、月亭天使さんは、悲しみに頬が紅潮し。
 じゃなく、よい具合に聞し召しておられる。
 自ら笛を吹いて、三河さんと『カントリーロード』を歌うという趣向なんだけど、これが笛吹けど踊らずの正反対、ネオ落語サンガサルという番組に相応しいたがの外れようでおかしくって仕方なかった。
 天使さんのおちょけた部分が十分十二分に発揮されて腹がよじれる。
 三河さんの困惑ぶりが笑いに拍車をかけた。

 23日には京都、31日には大阪での単独落語会「独利」が控えている笑福亭笑利さんは、冒頭笑福亭鶴笑師匠への入門が適った際、側にいた三河さんから「めしいこけー!」と誘われた、それ以来「めしいこけー!」と誘ってもらっている、と「めしいこけー!」を連発。
 だが、もちろんこれは嘘。
 本題として、youtubeで観て覚えたという三河さんの新作『コココココ』を演じたが、粗いなりに原作に沿った前半から一転、後半はアプリから個人情報が漏れるなど笑いのクラッシャー笑利さんらしい独自の展開となっていた。
 早速予約をすませた「独利」が愉しみだ。

 ネオ落語は初登場となる月亭八斗さんは派手な柄の衣装で高座へ。
 三河さんとほぼ同期(繁昌亭の落語家名鑑で確認すると、八斗さんが2008年8月の入門、三河さんが同年10月の入門とのこと)、普通の友達として接してきた二人だけに、マクラではそうしたエピソードを聴かせてくれた。
 で、本題はこれまた三河さんの新作『阿修羅』。
 ただし、八斗さんはくすぐりの細かいアレンジはありつつも、基本的には原作に忠実な口演だった。
 それでも、登場人物のキャラクターづくりなどで三河さんとの違いがはっきりしていて、そこも面白かった。

 11人目となる太遊さんは、盟友らしくシュートなことも語る。
 そこに、この間三河さんと太遊さんが積み重ねてきたものがしっかりと表われていた。
 そして、あえてネオラクゴではなくラップで三河さんを送る。
 当然の如く、捻った内容のラップであったことは言うまでもない。

 トリは、三河さん。
 悟りを開いていたはずの仏像の仏様が、お寺で結成されたアイドル・グループの女の子に興奮してしまい…。
 という、三河さんのアイドル好きの真情が全開となった自作の快(怪)作『春の一大寺』で〆た。

 最後は全員のトーク。
 太遊さんが桂あおばさんのメッセージを代読したのちは、またもや天使さんが笛を持ち出して、腹がよじれる。
 ラストは、出演者の皆さんやお客さん(三河さんの送別の会ということもあって、立ち見も出る大盛況)のつくったアーチをくぐって三河さんが錦湯さんをあとにする、という体で華々しく終わった。

 と、本当に盛りだくさん笑いだくさんの会でした。
 ああ、面白かった!!

 そして三河さん、ぜひぜひ秋田に三河ワールドを築き上げていってください!!
 秋田の皆さんも、何とぞよろしくお願い申し上げます!!
posted by figarok492na at 09:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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