☆京都市交響楽団第603回定期演奏会(後半のみ)
指揮:ユージン・ツィガーン
管弦楽:京都市交響楽団
座席:3階 LB2列4番
(2016年7月31日/京都コンサートホール大ホール)
京都コンサートホールまで足を運んだついでに、と言ってはなんだけれど、休憩以後の後半部分を格安(B席なら3500円が1000円に)で聴けるという「後半券」を利用して、京都市交響楽団第603回定期演奏会のメインとなるマーラーの交響曲第5番を聴いた。
後半券の発売は、前半の一曲目が演奏され始めた時点ということで、定時より5分ほどおした14時36分頃に無事チケットを手に入れる。
で、後半券待ちのときに前に並んでいた男性と、前半のシューベルトの交響曲第7番「未完成」が終わるまでホールの入口のところで、例えば男性は朝日新聞の夕刊で後半券のことをお知りになったとか、あれこれおしゃべりをして愉しく待ち時間を過ごした。
男性はこちらより少し先輩になるか。
福田康夫元首相をもっと柔らかく優しくしたような雰囲気のノーブルで知的な物腰語り口のお方で、クラシック音楽をはじめ、様々な文化芸術に親しまれているようだった。
さて、今回指揮台に上がったのは、アメリカ出身のユージン・ツィガーン(父親がアメリカ人で、母親が日本人)。
東京都交響楽団や読売日本交響楽団(そういえば、客演コンサートマスターは読響の小森谷巧だった)のほか、京都市交響楽団にもすでに2013年6月の第569回定期演奏会で客演している。
1981年の12月生まれだから現在34歳、ありきたりな言葉だけれど、ここぞというところで両手を高々と突き上げるなど、実に若々しい指揮ぶりだ。
そんな指揮から生み出された音楽も、実に若々しくドラマティックでパワフルなものとなっていた。
と、こう記すと、力任せのヤンキードゥードゥルドゥーを想像される向きもあるかもしれないが、それは大間違い。
ツィガーンは細部をきっちりと把握して、よくコントロールの効いた音楽づくりを目指していたように感じられた。
ただ、ときとして作品やオーケストラが御し切れていないというか、指揮をし過ぎるというか、音楽の流れに若干たどたどしさ、かくかくしかじかしかつめらしさを覚えた部分があったことも事実だ。
とはいえ、作品の妙味、面白さを存分に味わうことのできた演奏であったことも確かで、特に第4楽章のアダージェットで弦楽器が歌い切ったあと、すかさず第5楽章のホルンのソロが始まった一瞬の雰囲気の変化は、本当に聴くことができてよかった。
トランペットのハラルド・ナエスとホルンの垣本昌芳はじめ、管楽器弦楽器打楽器と、ソロ、アンサンブルともに京都市交響楽団も高水準な演奏を行っていた。
コンサートはできるだけ全部を聴いておきたいという人間だけれど、たまには「後半券」を利用するのもありかなと思った次第。
ああ、面白かった!
2016年07月31日
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