2016年07月24日

ロームミュージックファンデーション音楽セミナーコンサート2016

☆ロームミュージックファンデーション音楽セミナーコンサート2016年

(2016年7月24日14時開演/ロームシアター京都サウスホール)


 ロームミュージックファンデーション音楽セミナーコンサート2016を聴きに、ロームシアター京都サウスホールまで行って来た。
 実は、ロームシアター京都に足を運ぶのは、今日が初めて。
 旧第一ホールでは数年前に夏川りみのリサイタルを聴いているが、旧第二ホールのほうは、日本共産党がらみの今は亡き河島英五のライヴに接して以来だから、25年以上ぶりということになる。
 もちろん、改装によってホールは全く新しくなっているのだけれど、ドリンクコーナーに備え付けられた給水器の生ぬるい水を含め、いなたいというか野暮たいというか、良くも悪くも京都会館の雰囲気が濃厚に残っていた。
 で、はじめは2階一列目に陣取っていたが、バルコニー(舞台から見て横向きの席)を見つけてそちらに移る。
 ここは、2階から直接行くことはできなくて、いったん1階席のほうまで降りなければならないので、要注意だ。
 無粋な手すり等、視覚的に難はあるものの、予想外にクリアな音が届いていて、音楽を愉しむ分に問題はなかった。

 さて、1992年以来、プロの音楽家の育成を目的に継続されてきたロームミュージックファンデーション音楽セミナーだが、最終日には、一週間のセミナーの成果発表として例年コンサートが行われることになっている。
 25回目となる今年は、去年に続いて管楽器(フルート、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴット)のセミナーが開催され、25人の受講生が参加していた。
(ちなみに、2名以外は全て女性)

 まず第1部では、各楽器から一人が選抜されてソロの演奏を披露した。
 演奏者と曲目は以下の通りだ。
 フルートの瀧本実里(東京音楽大学)とピアノの大堀晴津子による、タファネルの『魔弾の射手』の主題による変奏曲。
 オーボエの高橋早紀(東京音楽大学大学院)の独奏による、テレマンの無伴奏オーボエのための12の幻想曲より第6番とハインツ・ホリガーの無伴奏オーボエ・ソナタより第1楽章。
 クラリネットの本田有里恵(東京芸術大学大学院卒業)とピアノの小澤佳永による、フランセのクラリネット協奏曲より第3、第4楽章。
 ホルンの藤井春香(東京音楽大学卒業)とピアノの浅川真己子による、リヒャルト・シュトラウスのホルン協奏曲第1番より第1、第3楽章。
 ファゴットの柿沼麻美(東京芸術大学大学院卒業)とピアノの三輪郁による、ブルドーのプルミエ・ソロ。

 続く第2部では、受講生が5つの木管5重奏にわかれて、タファネルの木管5重奏曲より第1、第2楽章、ヒンデミットの小室内楽曲より第1、第2、第4楽章、ダンツィの木管5重奏曲作品番号56−1より第1、第2、第4楽章、クルークハートの木管5重奏曲より第1、第2楽章、ラヴェルの『クープランの墓』よりプレリュード、メヌエット、リゴードンが演奏された。

 ソロ、アンサンブルともに、まだ磨き切れていない原石といった粗さを感じる部分はあったが、一人一人が真摯に演奏、作品、音楽そのものに向き合っていることがよくわかる内容となっていて、今後の活躍が本当に愉しみである。

 最後は、セミナーの講師陣であるフルート・ピッコロの工藤重典、オーボエの古部賢一、クラリネットの山本正治、ホルンの猶井正幸、ファゴットの吉田将が木管5重奏用に編曲されたヴェルディの歌劇『ナブッコ』序曲を演奏して華やかに〆た。

 表現することに対する刺激を受けたコンサートで、聴きに行って正解だった。
posted by figarok492na at 19:27| Comment(0) | TrackBack(0) | コンサート記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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