☆ネオ落語・セントラル 第39回
出演:桂ぽんぽ娘さん、月亭太遊さん、笑福亭智丸さん
大喜利出演:貯蓄アンドザシティさん、すかいどんさん
(2016年7月11日20時開演/錦湯)
祗園祭の準備が着々と進む京この頃。
七月も半ば近くで蒸し暑さもぐんと増してきたが、冷房完備の錦湯さんは何人集まろうが無問題。
昨夜も大勢のお客さんが起こしになっていたのだけれど、きりっとした涼しさの中でネオ落語・セントラルの笑いを愉しまれていたのではないだろうか。
39回目となる昨夜は、月亭太遊さんのほか、桂ぽんぽ娘さん、笑福亭智丸さんが出演。
ぽんぽ娘さんと智丸さんは、ともに二回目の登場だ。
スタートのトークでは、初っ端からぽんぽ娘さんがとばす。
智丸さんの詩集『歯車VS丙午』(思潮社/疋田龍乃介名義)を朗読するかと思えば、官能小説の一節になるといった具合で、下ネタ全開である。
そんなぽんぽ娘さんを巧みに受けつつ、太遊さんは昨日から公開された日清どん兵衛のwebCMについてきっちりと紹介に勤めていた。
東西対決の趣向で撮影されたラップ・スタイルのCMで、太遊さんはその西側のほうに、名だたるラッパーの面々と出演しているのだ。
こちらも、ぜひ一度ご覧いただければ。
で、ぽんぽ娘さんの攻勢に若干たじたじといった感じの智丸さんが高座へ。
そのたじろぎが素直に表われた(かのようでいて、実はそんな自分の姿を観察している風でもある?)マクラから、本題は一転。
おなじみ『時うどん』を演じたのだけれど、語りは騙り、登場人物をじっくり演じ分け演じ込んで、話そのもののおかしさに加え、表情仕種の変化でも笑いを生んでいて面白い。
落語とは、生ならではの落語家さんの個性、人柄のせめぎ合いを愉しむものでもあるんだなあと改めて思った次第。
生ならではの…、といえば、ぽんぽ娘さんも全くそう。
前回に続いて、いわゆるピンク落語を披露する。
マクラに自作の歌と、ばんばんぱんぱん下ネタを盛り込んでいって、本題は「肉ぼう(肉巻きごぼう)」の話。
バレ噺、艶色噺というと、ねっとりじっとりというか、ちょっとウェットな感じもするんだけれど、ぽんぽ娘さんのピンク落語は、その語り口同様、いたってドライだから、構えず構わず大笑いできる。
それに、セックスは、男(だけじゃなく女もだけど)が一方的に支配するもんじゃないっていう筋もしっかり通っていて、しっくりくる。
生と性、エロスに満ち満ちた高座だった。
トリは太遊さんのネタおろし『またコンドミニアム』。
実は、日曜日の大阪での落語会でネタおろしする予定だったのが、諸般の事情でセントラルでのネタおろしとなったとのこと。
しゃちょさんからバカンスに連れていってもらえると、喜んで島に向かった水商売の女性だったが、行ってびっくり、実は素行態度のよろしくない女性を鍛え直そうというママの差し金で…。
といった具合に始まるお話。
コンドミニアムならぬ、公民館風の建物に滞在させられた女性に毎日食料を届けてくるのはコンドウさん。
と、ダジャレ地口が豊富な作品だけれど、肝は女性がコンドウさんの人柄に魅かれていくプロセスではないか。
途中登場するコンドウさんの家族もおかしく面白い。
ネオラクゴでは珍しい長尺の作品となった。
ちなみに、女性が滞在させられる島はハナシマ。
ネオラクゴ初期の『蝶よ 花よ』(2014年12月15日、ネオラクゴ・フロンティアsection11)の舞台となった島である。
最後は、定番の大喜利。
太遊さんの仕切りの下、ぽんぽ娘さん、智丸さん、貯蓄アンドザシティさん、すかいどんさんがお題に挑んだ。
大喜利猛者の貯蓄さん、すかいどんさんが青い火花を散らす一方、ぽんぽ娘さんはここでも下ネタの解答を繰り返すばかりか、左右隣のすかいどんさん、智丸さんに対して果敢にセクハラ攻撃を加える。
そして、お題の最後は「先生」智丸さんがびしりと決めた。
と、一回で何度もおかしいネオ落語・セントラルに皆さんもぜひ!
ああ、面白かった!!
2016年07月12日
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