☆ネオ落語・セントラル 第38回
出演:月亭太遊さん、桂三実さん、月亭八織さん
大喜利出演:棚卸代行ハウスさん、くりりんくん
(2016年7月4日20時開演/錦湯)
とうとう暑さが厳しい、それでもまだまだ梅雨が続く京この頃。
昨日も夕方になって雨が降ったが、陽が沈む頃にはやんで足元が乾き始める。
そんなお天気も幸いしてか、38回目となるネオ落語・セントラルは、海外からのお客さんを含むご新規さんに、九州からお越しのお客さんを含むリピーターさん、そして常連さんで大入りの盛況となった。
今回は、月亭太遊さんに、桂三実さん、月亭八織さんの三人が出演。
開幕のトークでは、三実さんや八織さんの修業生活についてなどで盛り上がる。
まずは八織さんから。
いつもの如く袴姿が見目鮮やか。
マクラで犬を飼っていることなども語っておいてから、本題に入る。
ドッグカフェに集う犬のやり取りを擬人化してみせた、初高座でのネタとのこと。
たぶん八織さんと同世代の女性であれば、ああ、あるかもと思えるような心の動きも巧くデフォルメされて盛り込まれている。
登場人物、ならぬ登場犬物の演じ分けでは、八織さんの演技経験がよく出ていたのではないか。
八織さんの芝居噺もぜひ一度聴いてみたい。
続いては、太遊さんが登場。
旧作の『ムーンパレス』(第30回。5月9日に初演)を演じる。
日々の労働に気鬱な麩工場の工員が、友人に誘われてクラブへと繰り出したところが、入ったムーンパレスというクラブはなんだか妙な雰囲気で…。
べたなシャレあり、マニアックなくすぐりありと、仕掛けが整理されて笑いどころが豊富。
加えて、コール&レスポンスはラップ&落語の「らぷご」ならでは。
面白さが増していた。
(そうそう、先日ネオ落語・セントラルでPVの一部を撮影した、B-PLUTO&WEST-E feat.月亭太遊名義の「らぷご」『FUCK THE落語』がyoutubeにアップされた。こちらのほうもぜひ!)
三番目は、三実さん。
マクラで、最近ドラマの『古畑任三郎』にはまっていると語ったのち、その『古畑任三郎』のアバンタイトル(ドラマの初っ端、田村正和演じる古畑が黒バックの中、短めに話す部分)を真似た短めの落語を披露。
自作のアバンタイトルのあとに、誰が犯人かを説明するというもので、以前架空の落語の題名とサゲだけを披露していくというネタをやった三実さんらしい捻りのある内容だ。
で、本題は『○○の日』。
新婚夫婦の妻は、毎日の記念日(6月5日は落語の日とか、7月5日は江戸切子の日とか)にあやかるのが大好き。
夫の迷惑を省みず、毎日毎日記念日にあやかり続けるが…。
はじめのうちは困ったちゃんのお嫁さん、といった感じの展開なのだけれど、終盤、たまりにたまった何かがどっと炸裂していく。
『アイドルは総理大臣』の初演版でも感じたことだけれど、この何かが三実さんの特性であり肝なのだと思う。
トリは、太遊さんが『或る神童』をネタおろしする。
だいぶん前にレコード芸術という雑誌の投稿コーナーで、中学生の男の子が「僕の人生の中で一番のレコード」といった趣旨の言葉を記していて、いやいや、確かに君の人生の中では一番かもしらんけどなあ、と複雑な心境になったことがあったけれど、ふとそんなことを思い出すような内容。
落語好きの少年が、落語家に向かってあれこれうんちくを語っていくという毒っ気が強いお話で、笑いながらも、こうやってそれらしい感想を綴っている自分はどうなんだと思わずにはいられなかった。
そして、太遊さんの試みというか、最近の変化もよく表されていた。
最後は、定番の大喜利。
太遊さんの仕切りの下、三実さん、八織さん、棚卸し代行ハウスさん(二回目の登場)、くりりんくんがお題に挑む。
昨夜は、ちょっと捻りの多いお題だったかな。
それでも、三実さん、八織さん、くりりんくんと、ここぞというところでヒットを放つ。
そして、棚卸し代行ハウスさんが、あはははという乾いた笑い声はじめ、強めの個性を発揮していた。
と、毎回面白さおかしさが変わるネオ落語・セントラル。
月曜20時は、皆さんも錦湯さんへぜひ!
ああ、面白かった!!
2016年07月05日
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