☆気持ちのいいチョップ第2回『定刻開演マシン00分交換日記』
出演:小川晶弘、横山清正
(2016年6月12日16時開演の回/Antenna Media)
所属していた月面クロワッサンのほか、数々の客演でも活躍中の小川晶弘と横山清正による演劇ユニット、気持ちのいいチョップの第2回公演『定刻開演マシン00分交換日記』を観に、五条河原町近くのAntenna Mediaまで足を運んだ。
(途中退場が自由で、連絡もとり易そうという「保険」があったこともあり)
タイトルの通り、昨日11日、今日12日の二日間、11時〜20時45分まで、毎時00分ごとに必ず上演をスタートさせ、つごう20ステージをこなそうとする怒涛の企画だが、こちらが観た回は16ステージ目、心身両面で疲労困憊の中、小川君、横山君の二人は見事に45分間を演じ切った。
内容はといえば、これまたタイトルの通り4月以降始めた交換日記の、各々が各々の書いた文章を読んでいくというもの。
ちなみに、フラットなAntenna Mediaのスペースの半分程度を上演スペースに割り当て、小川君、横山君の部屋といったセットが組まれていた。
また、この交換日記をプリントアウトしたものが、上演中参照できるよう客席に準備されてもいた。
途中から公開されたということも加わって、当然「他人の目」を意識した内容なのだけれど、だからこそか、二人の実生活がまざまざと表現されていて、非常におかかなしい。
ユーモアをまぶしつつも、演劇活動を続ける傍ら労働や学業に勤しまざるをえないその日常の描写と筆致は、純文学の新人賞の応募作品と言われてもなんら不思議ではないほどの代物だ。
もちろんそこは、演者が存在するライヴであるからして、いろいろと仕掛けも施されている。
メタ的趣向もあれば、擬即興的趣向その他もろもろ。
ただ、そうした趣向が意図した以上にぐだぐだとなって、やけのやんぱち必死のぱっちに観えたのと、それでもお客さんの前でやっているというラインを守っていこうとする二人の姿がどうにも面白かった。
まさしく、交換日記のリアルさと、ライヴならではのリアルさの、二重のリアルさを愉しむことができた。
その意味でも、これは本当に接しておいてよかったと思う。
正直、自分のことは棚において、それじゃあ、これからどうしていくの?という疑問はどうしても付きまとってしまうのだけれど、まずは小川君と横山君の今後のさらなる活躍と研鑚を心から祈っていきたい。
できうるならば、二人を知らない人にも、人にこそ観て欲しい。
残すところ、あと2回。
まだ間に合います。
ああ、面白かった!
2016年06月12日
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