2016年04月30日

ラ・フォル・ジュルネびわ湖2016 カンマーアカデミー・ポツダム

☆ラ・フォル・ジュルネびわ湖2016 30-L-4 カンマーアカデミー・ポツダム

 管弦楽:カンマーアカデミー・ポツダム

 会場:滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール大ホール
 座席:2階2RA列9番
(2016年4月30日18時45分開演)


 明解なテーマの下、名曲を中心としたプログラムの1時間弱のコンサートを同時多発的に開催し、低価格で提供する。
 そんなラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンは、もはやゴールデンウィークの風物詩の一つといってよいばかりでなく、金沢や新潟と東京以外の都市でも慣れ親しまれるようになった。
 びわ湖ホールを中心とするラ・フォル・ジュルネびわ湖も今年でもう7回になるというが、7回目にしてようやっと僕も足を運ぶことにした。
 と、言うのもドイツはポツダム(ポツダム会議で有名なベルリン近郊の都市)を本拠とする室内オーケストラ、カンマーアカデミー・ポツダムが登場すると知ったからだ。
 カンマーアカデミー・ポツダムといえば、イタリア出身の指揮者アントネッロ・マナコルダとのシューベルトの交響曲全集の鮮烈清新な演奏が印象深く、すでに何度かCDレビューも投稿してきたが、ラ・フォル・ジュルネびわ湖では、ヴァイオリンのユキ・カサイをリーダーとした小編成のアンサンブルで、バロック音楽中心のプログラムを演奏する。

 カンマーアカデミー・ポツダムにとって一日目となる今日は、ヘンデルの水上の音楽から第1組曲と第2組曲が取り上げられていた。
 おなじみ第2組曲のア・ラ・ホーンパイプをはじめ、有名な水上の音楽の中でも特に耳なじみのよいナンバーが並んだ、まさしくいいとこどりのプログラムである。
 第1ヴァイオリン5、第2ヴァイオリン5、ヴィオラ3、チェロ2、コントラバス1、オーボエ2、ファゴット1、ホルン2、第2組曲からトランペット2、チェンバロ1の編成で、ホルンとトランペットはピリオド楽器(ナチュラルホルンとナチュラルトランペットと呼ぶ)、対向配置の上にチェロとチェンバロ以外は立っての演奏。
 ということで、それってピリオド・スタイル?
 と思った方は大正解だ。
 弦楽器のビブラートは抑制され、強弱の変化ははっきりとし、テンポは速い…。
 といったことをくどくどくだくだと記さなくってもいいか。
 モダン楽器のオーケストラであろうと、バロック期の音楽を演奏する際はピリオド奏法をとるのがもはや当たり前(欧米では?)ということがよくわかる。
 ホルンなど演奏の難しさを感じさせる部分もあったのだけれど、カンマーアカデミー・ポツダムはインティメートで伸びやかなアンサンブルでもって、ヘンデルの水上の音楽の持つ特性魅力(例えば、この曲のトリオ・ソナタやコンチェルト・グロッソ的要素であるとか)を巧みに表していた。
 中でも、弱音部分での表情の豊かさが強く印象に残った。
 そうそう、演奏者たちの愉しげな様子も嬉しかったんだった。

 びわ湖ホールの大ホールは大きなホールだが、クリアに響いて聴きやすかった。
 その分、若干空席が多かったのは残念でならないが。
 あとわかってはいるんだけれど、やっぱり1時間弱では食い足りなさが残ってしまう。
 次回は、ぜひマナコルダとともに来日して、シューベルトの交響曲など古典派や初期ロマン派の作品も聴かせて欲しい。

 ああ、愉しかった!!
posted by figarok492na at 23:01| Comment(0) | TrackBack(0) | コンサート記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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