2016年02月28日

第0回つくるクラブ vol.1

☆第0回 つくるクラブ vol.1

 出演:桂三河さん、月亭太遊さん、桂三実さん、笑福亭笑利さん
(2016年2月27日19時開演/ジョイ船場50内船場寄席)


 秘密結社といえば、ヨーロッパ出自のフリーメーソンに薔薇十字団が有名だが、ここ関西では「つくらせるクラブ」なる団体がどうやら暗躍を始めた。
 関西でこれはと思った新作落語に熱心な落語家桂三河さん、月亭太遊さん、桂三実さん、笑福亭笑利さんの四人に、団体の首領と思しき人物(小学生?)が手紙を送り、その名も「第0回つくるクラブ」なる新たな落語会を開催させたのだ!!!

 とは、もちろん四人の趣向。
 こんなこと書くまでもないことだけど、結構信じる向きもあるらしいので、無粋を承知で記しておいた。
 なあんかつまんないの。

 ちなみに、会場の船場寄席は地下鉄堺筋本町駅、並びに本町駅に直結した商業集合ビル、船場センタービルの2号館地下2階の食事名店街ジョイ船場50の一角にあり、きちんと高座も設えてある。
 別の方角から来たせいで、金髪のウイッグをして赤いドレスを来た女性が歌を歌っているパーティか何かに間違えて紛れ込んでしまい、変な顔をされてしまった…。

 三河さん、太遊さん、三実さん、笑利さんのトークからクラブはスタート。
 つくるクラブ、つくらせるクラブとはなんぞやという点はもちろんのこと、最近関西落語界を賑わせている事どもに関しても当然触れられていた。
 まあ、この顔触れだものね。

 まずは三実さんが『味噌豆』を演じる。
 えっ、『味噌豆』って古典じゃないの、と難じる向きもあるかもしれないが、そこは三実さん。
 噺の肝、というところで、突然CMを挟み込む。
 今のテレビへのちくっとした批評(批判ではなく)という意味でもいいところを突いているんだけど、それより何より、古典の部分での端正な語り口とある種突拍子もないCMでの狂気の芽のようなもののコントラストが、僕には面白くて仕方なかった。
 『ふたりでできるもん』での「アイドルは総理大臣」もそうだし、先日のネオ落語・セントラルの大喜利での解答もそうだが、三実さんは良い意味で相当な曲者ではないか。
 三実さん、要注目である。

 続く笑利さんは、錦湯さんでオロシた「鯉つかみ」の新作。
 どこかの村に宿泊している二人組の片割れ(品川隆二演じる焼津の半次あたりをご想像いただければ)が、若い娘に誘われて夜な夜な大きな湖と向かったが、なんとこれが湖に棲む鯉の化け物の仕業で…。
 初演時は出来たてほやほやの作品をぶっつけ本番でかけたため、仕掛けの道具がしっちゃかめっちゃかになるなど、やたけた具合に笑いが起こっていた。
 で、今回は、かためるべきところはきっちりかため、仕掛けもシンプルなおかつ見栄えがしてしっかり笑いがとれるものに改め、それでいてやたけた具合は良い意味でパワーアップさせて、大きな笑いを巻き起こしていた。
 いやあ、これはぜひまた観たいな。

 三番目の三河さんは、ネオ落語の常連さんにもおなじみ『阿修羅』をかけた。
 人間世界に修羅場を起こさせる阿修羅たち。
 その大阪支部に、阿修羅オブ阿修羅の修羅長がやって来た。
 一日100万件の修羅場をつくれとの命令に、大阪支部の阿修羅たちは…。
 何度聴いても、大阪のあかんちん阿修羅が造り出すちまちまとした修羅場が面白い。
 そして、今夜はマクラや本題に、修羅場オブ修羅場の新しいくすぐりもしっかり盛り込まれていた。
 次回は、季節も春だろうということで、快(怪)作『春の一大事』を演じていただければ。

 そして、トリは太遊さんの「らぷご」(ラップ落語)『リク、踏みだせばいいんだ』。
 ラッパーを夢想するひきこもりの青年アマリリクに、両親が部屋を出ろ、家を出ろ、とフリースタイルラップの勝負を挑む。
 細かいくすぐりもそうだけど、この作品の肝は当然ラップの部分。
 今回はDJサンガ(姿は見えず)の協力を得て、「とらの巻」なしにラップを口演していた。
 太遊さんの本気度合いがわかる高座で、再演再再演、今後の進化が愉しみだ。

 最後はトークで盛り上げる…。
 などと、単なる予定調和で終わらないのも「第0回つくるクラブ」。
 笑利さんが、太遊さんの「らぷご」にジャブをかましていた。
 これはますます目が離せない。
 大阪の方はもちろん、京都の方も、兵庫の方も、奈良の方も、滋賀の方も、和歌山の方も、いやさ、世界中の皆さんも「第0回つくるクラブ」にぜひ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 03:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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