2016年02月13日

桂恩狸さんと桂三実さんの新作落語会 ふたりでできるもん vol.1

☆ふたりでできるもん!vol.1(〜恩狸・三実の新作落語会〜)

 出演:桂恩狸さん、桂三実さん
 ゲスト:月亭太遊さん、桂りょうばさん
(2016年2月12日19時開演/動楽亭)


 羊頭狗肉、というけれど、桂恩狸さんと桂三実さんがはじめた新作落語会『ふたりでできるもん!』は、ゲストに月亭太遊さん、桂りょうばさんを迎えた上に、三味線(香取光さん)、お手伝いさん、受付さんまでお願いして総勢7名で臨んだわけだから、出てきた肉は狗の肉に非ず、羊頭牛肉、羊頭鶏肉、羊頭猪肉とでも呼ぶべき内容となっていた。
 そこらあたり、お客さんも瞬時に感じ取ったのだろう、会のスタートに相応しく大盛況だったのは何よりである。

 で、恩狸さんと三実さんによる挨拶と会の説明を兼ねたおしゃべりののちは、開口一番、前座のりょうばさんが、おなじみ『東の旅』から「煮売屋」を演じた。
 りょうばさんの詳細に関しては、あえてここでは触れない。
 定石に沿いつつ丹念に話を進め、ここぞという部分でぱっと表現が大きくなるところは、やっぱり達者だなあと思う。
 これからどのような落語家さんになっていくのか、とても愉しみだ。

 続く三実さんの新作は『アイドルは総理大臣』。
 一年ごとに好みのアイドル(女性)が変わってきたけれど、最近は能年玲奈ちゃんに夢中とマクラでふっておいて、本題へ。
 半ばストーカーまがいの総理大臣ファンのOL(そうそう、登場人物のネーミングにも工夫がこらされている。上司のほうは、明菜じゃなくて明夫かも)の運命が、ひょんなことから変化して…。
 といった展開で、前半はくすぐりを小刻みに仕掛けてしっかりと笑いを重ねていく。
 が、この作品の肝は、中盤、話が急激に転調するところだ。
 正直、唐突の感は否めないし、場の空気が変わるような転調でもあるのだけれど、そこに三実さんの内面の何かが表われていたようにも感じられた。
 もしかしたら、三実さんの「破調」もまた、この「ふたりでできるもん!」の愉しみの一つになるかもしれない。

 太遊さんは、もちろんネオラクゴで勝負。
 『幻影百貨店(マーヤーデパート)』。
 その人にぴったりの衣装を勝手に選んでくれるというスーパー試着室を探しなさいよ、と友達に強いられた女性は、神戸にある、あるデパートに辿り着く。
 SF的趣向に、形而上的な思考、さらにはネオラクゴ・フロンティアやネオ落語・セントラルの常連さんにはおなじみの「映画」オチと、ネオらしさの効いた作品だが、要所急所で笑いが起こっていた。
 これからは、錦湯さん以外でもネオラクゴをどしどし聴いていきたい。

 トリは、恩狸さんの新作、喫茶「鉄」。
 鉄ちゃん対応の喫茶店が舞台で、鉄道好きでもない人でも笑えるような、そこそこマニアックではあるけれど、コアには過ぎないくすぐりをチョイスしていて、おかしい。
 また恩狸さんらしいぼやき、というか、突っ込みというか、「おいおい、お前なあ」という感情も巧く出ていたのではないか。
 生ならではのスリリングな部分はあったし、さらに話が面白くなる可能性も感じはしたが、この会ではあまり小さくまとまってしまう必要もないのではとも思った。
 恩狸さん特有のフラや、あえて破天荒を見せようとする「やってる」感をお客さんに理解してもらった上で、はじめのうちは何やかやと試す会になっていけば幸いだ。

 最後は、恩狸さん、三実さん、太遊さん、りょうばさん、四人揃ってのトーク。
 プラス、景品のためのじゃんけん大会(前売りのお客さんに手拭いをプレゼントしていたのに!)。
 と、盛りだくさんに〆た。
 ここでのぐだっとした感じも、実にらしくて面白かったのだが、仕切りの達者な太遊さんや、入門前から場馴れしているりょうばさん(リリパ!!)が巧くサポートしていたことも事実で、今後はゲストの顔触れに合わせて、より段取りを組んでおいたほうが無難かもしれない。

 年間7回で300回の開催を目指すという心意気やよし。
 「ふたりでできるもん!」のさらなる発展と大盛況を心より祈願したい。
 ああ、面白かった!
posted by figarok492na at 01:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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