☆ネオラクゴ・カルティベイトZ『楔・エクストラクト』
ゲスト:ハッピーピープル
(2015年9月30日20時半開演/ライト商會2F)
月亭太遊さんがネオラクゴ・フロンティアで発表し続けている新作から数本を選び出し、ブラッシュアップのために再演するという企画、ネオラクゴ・カルティベイトは約3ヶ月ぶりの開催。
まずは、カルティベイト前に撮影してきた自動車がらみの動画のエピソードを語って場の空気を暖めたのち、カルティベイトの定期的な開催が今回で一区切りつくことや、京都府井手町に新たな拠点ができたこと、それに伴い錦湯さんでの企画の形態が変わり、フロンティアも次のステップへと進むことが宣言される。
で、一本目の『きいろいおやま 〜バカでも達者が溶岩す〜』(フロンティアsection39)へ。
阿蘇山の噴火をまるで予知したかのような展開の作品だが、上述動画の撮影からのギアの切り換えが徐々に進んでいったという感じ。
若干スリリングな運転だったけれど、それも笑いに変わるのがネオラクゴのネオラクゴたる所以だ。
ここでいったん太遊さんが退き、今回のゲスト、ハッピーピープルのお二人が登場する。
ボーカルのはらださんとギターのひさのさんの二人組パンクバンドだが、もともとは太遊さんのNSCの一期後輩とのことで、上半身裸とジャージのズボン姿がまずもって目をひく。
一曲目に歌うは、『神輿革命』。
シャウト!シャウト!シャウト!
けれどそこは太遊さんを慕い、太遊さんにゲストに呼ばれるハッピーピープルだけに笑いとともに、ネオラクゴと通じる鋭い想いや激しい感情が息づいている。
そして僕は、
>昔の叡山ファッショのミリシアは神輿をかついで暴れ廻った。
昭和の山法師よ。お前たちは神輿をかついだら暴れるな。
お前たちのかつぐ神輿は棺桶だ!<
という、長谷川如是閑の『「枢」「密」「院」』の一節をふと思い起こした。
途中太遊さんのネオラクゴを挟んで、ハッピーピープルは『ミスチルにはいりたい』、『おそろしオーケストラ』、『眼球にさわりたい』(順不同)を披露したが、バーバル・センスにも音楽的センスにも富んだナンバーで、存分に愉しむことができた。
さて、太遊さんの二本目の新作は『道化』(フロンティアsection44)。
『情熱大陸』の形を借りて、現代の「道化」、喜劇役者の姿を描いた作品だが、ここで太遊さんのエンジンが全開、特に後半の道化の言葉に笑いと想いが炸裂しておかしいのおかしくなくの、いやおかしいの。
いやあ、笑った笑った。
さらに、ハッピーピープルのナンバーを挟んだ三本目は『憑依 to the World』(フロンティアsection46)。
憑依体質の高校生若林若葉が活躍するシリーズの一作目(その前に、発端となるべき『煙草部屋の手記』がある)で、太遊さんが口にしていたように、神道が作中にもろ取り込まれている点が肝となる作品である。
初演からの変更もカルティベイトならではだ。
最後は、ハッピーピープルが再再登場して『リカちゃん人形を庭に埋めた』(当方と同じ46歳の男の話。おかかなしさの極み)を歌い、さらには太遊さんを巻き込む『世界で二番目に強いしょうもないおっさん』で明るく決めた。
と、今回も盛りだくさんのカルティベイトでした。
ああ、面白かった!
そして、来週月曜10月5日は、ネオラクゴ・フロンティアの一周年記念のsection50。
皆さま、何とぞご来場のほど!!
2015年10月01日
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