脚本・監督:作道雄、橋ヶ谷典生
制作・著作:クリエイティブスタジオゲツクロ
月亭太遊さんのネオラクゴ企画、ネオラクゴ・フロンティアでもしきりとクラウド・ファンディングの説明が繰り返されていた、連続ドラマ『フェイク・ショウ』の第一話がyoutubeに公開された。
ここのところ親しく接している太遊さんが主演されている上に、ご存じの方はご覧いただければおわかりになる通り、僕自身ちらと出演していることもあって、なかなか第三者的に語ることも難しいが、これは実に今後の展開が愉しみな作品だ。
揚鳥亭翔鳥(太遊さん)は若手中堅の中では屈指の実力派落語家だけれど、『SAGE』という落語ユニットを組んでいるイケメンの七色亭桜餅(桂あおば)ほどには人気がなくて、少々複雑な心境である。
そんな二人がドキュメンタリー番組のクルーとともにとある村を訪れるが、どうにもこの村が怪しくて…。
と、『フェイク・ショウ』のタイトル通り、KBS京都で放映された『ショート・ショウ2』で評価されたフェイク・ドキュメンタリー(ドキュメンタリー風のフィクション。海外でいうと、『カメレオンマン』や『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』。日本では、放送禁止シリーズ)のスタイルを用いた作品である。
月面クロワッサン時代の『虹をめぐる冒険』にはじまる一連の映像作品の総決算というか、造り手の側がその手法になじんできていることが非常によくわかる。
また、太遊さんを皮きりに、あおばさん、ファミリーレストランのハラダさん(この人は、ナレーションもいい)、伊藤こずえ(『ショート・ショウ2』の第5話で好演)、吐山ゆん(京都造形芸大映画学科の出身で、月世界旅行社のマチヤ映画夜行などで出演作品を何本も拝見したことがある)といった出演者たちもそうした作品世界に沿う努力を重ねている。
それに、各々の素の顔、虚の間に実の姿が垣間見えるのも、この作品の大きな愉しみの一つである。
(地上波で再びシリーズ化される場合は、演技面での虚実の兼ね合い、バランスの置き具合が一層気になるところだ)
いずれにしても、20分とちょっとがあっという間に過ぎていった。
そして、揚鳥亭翔鳥たちの運命や如何。
第二話の公開が待ち遠しいとともに、これはぜひ大きな画面で観てみたい。
その意味でも、皆さんのクラウド・ファンディングへの協力に期待したい。
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