☆ヴィルムス:交響曲第6番&第7番
管弦楽:コンチェルト・ケルン
(2003年2月14日〜17日/デジタル・セッション録音)
<ARCHIV>474 508-2
オランダの作曲家、ヨハン・ヴィルヘルム・ヴィルムスは、1772年に生まれ1847年に亡くなっているから、ちょうどベートーヴェンと同時期に活躍したということになる。
実際、このアルバムに収められたいずれも短調の第6番ニ短調と第7番ハ短調の二つの交響曲を聴けば、古典派から初期ロマン派の端境というか、ヴィルムスが置かれた音楽史的な位置がよくわかるのではないか。
ともに4楽章で、劇性と緊張感に富んだ第1楽章、メロディカルで叙情的な緩徐楽章、といった作品の構成もすぐにベートーヴェンを想起させる。
管楽器のソロなど作曲的工夫が随所に聴き受けられる上に、表面的には粗い感触ながらも、その実技術的には的確で精度の高いアンサンブルを造り上げているヴェルナー・エールハルト率いるコンチェルト・ケルンの演奏も加わって、なかなかの聴きものになっている。
ただ、ところどころもって回った感じというのか、ベートーヴェンのようにある種の破綻や逸脱も含めて全てがきっちり決まりきらないもどかしさ、もっささを覚えたことも事実だ。
そのもどかしさ、もっささをどうとらえるかで、若干好みがわかれてくると思う。
ケルンのドイツ放送ゼンデザールでの録音は、非常にクリア。
コンチェルト・ケルンの演奏のスタイルにもよく沿っている。
2015年07月29日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック