2015年04月19日

ルドルフvol.4『COLLAPSAR(コラプサー)』

☆ルドルフvol.4『COLLAPSAR(コラプサー)』

 作・演出:筒井加寿子
(2015年4月18日14時開演の回/アトリエ劇研)

 久しぶりのルドルフの公演は、寓話性の強いファンタジー。
 と、まとめるとちょっと安易だな。

 周りを砂漠に囲まれた王国「エネル」は、姿形もほぼ人間そっくりな人造人間「アルバ」の生産によって経済的な繁栄や隣国との緊密な友好関係を維持している。
 ところが、そんな「アルバ」に原因不明の感染症が蔓延し…。

 といった展開の『COLLAPSAR』(ちなみに、コラプサーとは、「崩壊した星」「ブラックホール」を意味する由)に触れれば、どうしても今現在私たちが対峙している諸状況について想起せざるをせないだろう。
 ただし、この作品をそうした観点からのみとらえるとすれば、それは一面的に過ぎるとも思う。
 自問自答、のみならず自問他答、じゃない他問自答を促す作品というか。
 そこには諸状況、社会と如何に向き合うかも含まれているだろうけれど、加えて、ある種「絶対、大丈夫じゃない」状況の中で自分自身の逡巡、弱さとどう向き合っていくかについて自らに問うこと、さらにそうしたプロセスを経てそこからどう進んで行くかということにも力点が置かれた作品だったように、僕には感じられた。
 そしてそれは、筒井さんのこれまでの一連の作品に通底するモティーフであり、そのバリエーションであるようにも感じられた。
 で、このように記すと、何かしんねりむっつりとしてしかめ面したとっつきの悪い物語のように思われるむきもあるかもしれないが、そこは筒井さんである。
 いわゆる「邪劇性」や、ひいて見る滑稽さを織り込みながら、観ていて疲れのこない舞台に仕上げていた。

 大熊ねこ(圧倒的な女王)をはじめ、クールキャッツ高杉、多田勘太、川本泰斗、柿谷久美子、渡辺綾子、岩崎果林の演者陣は、感情表現のギアのチェンジの多い役回りを好演していたのではないか。
 もちろんそれには、個々の演者の特性魅力を踏まえた筒井さんのテキストと演出の力もあるのだけれど、それが各々のやりやすい範囲に留まるのではなく、もう何ステップか上のところに目標が設けられていたように思われたことも、やはり忘れてはならないだろう。
 アクターズ・ラボの公演クラスで筒井さんに師事した多田君、川本君、柿谷さん、岩崎さんに特にその収穫を感じた。

 上演時間の2時間が短く感じられる作品であり、公演であった。
posted by figarok492na at 00:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 観劇記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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