2015年03月29日

ネオラクゴ・カルティベイトB「絆・インタラプト」(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・カルティベイトB「絆・インタラプト」

 ゲスト:ラショウさん(仮面舞踏)
(2015年3月28日20時15分開演/ライト商會2Fギャラリー)


 月亭太遊さんがネオラクゴ・フロンティアでネタおろしをした新作ネオラクゴから選りすぐりの作品を演じるネオラクゴ・カルティベイトは、今回からライト商會のギャラリーが会場。
 寺町三条を一筋下がった細い路地にあるカフェの2階で、今は亡き天知茂が明智小五郎を演じる土曜ワイド劇場の江戸川乱歩シリーズの舞台に似合いそうな独特の雰囲気を持った場所だ。
 で、そんな場所にあわせ、音楽のほうもこれまでのクラシックのピアノ曲からエキゾチックなものに変わってカルティベイトがスタートする。

 まずは「独居老人」という安直なくくりで年長者に対するアプローチを繰り返す学生や大学教授らの薄っぺらさ、上っ面加減を鋭く突いた『おしかけロンリネス』<section13>。
 もちろん、登場人物である学生や大学教授らが諸々の象徴であることは言うまでもあるまい。
 サゲの老人の言葉も切ない。

 『断絶の園』<section18>は、最近京都界隈を賑わせたある事件をちらと思い起こしたりもする作品。
 全くかみ合わない夫婦の姿を描いたどうにも毒っ気の強い展開だ。

 と、ここで太遊さんと今回のゲスト・ラショウさんの軽いトークを挟み、ラショウさんの仮面舞踏のコーナーへ。
 「絆・インタラプト」というタイトルを意識した内容で、別れることになってしまった「あなた(私)」にとって大切な人と「あなた(私)」自身を、仮面を付け換えることで続けて踊った。
 悲哀、哀しさ、強い心の想いを緩やかで細やかな身体の動きで表現したダンスだったが、あえて長調陽性な音楽が使われていたのも強く印象に残る。
 笑いに満ちたネオラクゴのあとだけに、そうした踊りに接することへのとまどいも生まれたのだけれど、そうした感情も含めて刺激的な内容だった。

 続く、太遊さんの『地球溶接倶楽部(アースヨウセツクラブ)』<section22>は、慈善=偽善団体を通して、さらにその背景土台にあるものの嘘臭さ胡散臭さを叩きのめす傑作である。
 まずもって、「ジシャリエキジシャリエキ(自社とともに、自者利益でもあるだろう)」と繰り返す倶楽部の部歌が痛快だ。

 そして、再びラショウさんの仮面舞踏。
 『おしかけロンリネス』に通じる老いた人や、全てを踏まえた踊りなどが繰り広げられていたが、タランテラ的というか、内面の強い動きが即身体の動きに結び付くような後半の激しいダンスに特に心を動かされた。

 最後は、山登りの元気な老人たちにコンビニでバイトをしてくたくたな若者が激しい言葉を浴びせる『絶対安全ハイキング』<section23>で太遊さんが〆る。
 みんなの歌の「小さな木の実」(ビゼー作曲)などの選曲もいい。

 と、「絆・インタラプト」というタイトル・テーマにぴったりと沿った直球勝負のネオラクゴ4作品だった。
 ネタおろし時と比べて若干粗さを感じる部分もありはしたが、笑いの仕掛けも豊富で、ラショウさんの仮面舞踏ともども濃密な時間を過ごすことができた。
 ああ、面白かった!

 ネオラクゴ・フロンティアと一味違ったネオラクゴ・カルティベイトにも、皆さんぜひ足をお運びくださいませ。
posted by figarok492na at 04:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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