2015年01月30日

ネオラクゴ・カルティベイトU「澱・ソリュウション(よどみ・そりゅうしょん)」

☆ネオラクゴ・カルティベイトU
 「澱・ソリュウション」

 ゲスト:丸山交通公園
(2015年1月29日20時開演/壱坪シアタースワン)


 月亭太遊さんがネオラクゴ・フロンティアでネタおろししたネオラクゴから4席を厳撰して再演する、ネオラクゴ・カルティベイトのU「澱・ソリュウション(よどみ・そりゅうしょん)」観聴きしたが、やはり壱坪シアタースワンという密閉された空間で接すると、作品の印象が大きく変わってくるなあと改めて思った。

 で、まずは、途中ブリッジの音楽(ピアノ曲を中心としたクラシック音楽で、前回同様選曲が見事だ)を挟みながら、『放課後フナイトステイシー』、『祈るように食べる』、『ドクトル・パンデミック』、『場末のバステト』の三席が演じられる。

 ネオラクゴ・フロンティアの第一回目のネタおろし作品『放課後フナイトステイシー』は、高校の発表会で時代劇風なお芝居に出演することとなった先輩と後輩のやり取りを描いた作品で、太遊さんの演技達者ぶりがよくわかる。
 だじゃれが放り込まれているあたりにも、この間のネオラクゴの変化を感じた。

 『祈るように食べる』では、若い夫婦と子供の食卓での会話を通してエコやロハスといった風潮に潜む偽善、嘘臭さが鋭く突かれている。
 直球勝負というべきか、初演時以上に太遊さんの畳みかけが効いていて、大いに笑った。

 三席目の『ドクトル・パンデミック』は、『幸せになるためのレッスン』にはじまる一連のシリーズの第二弾。
 悪の組織、ビッグ・カオス団の幹部四天王の一人ドクトル・パンデミック(『幸せになるためのレッスン』に登場)が、恐るべき作戦を成功させんがために洋菓子店に修業に入るも、思うに任せず、そのうちに…。
 といった展開で、太遊さんの目のつけどころ、設定に今回も感心する。
(余談だけど、ドクトル・パンデミックが目をつけたお菓子を、僕も『高森みずきの穏やかな一日』という映画のシナリオの女友達二人の会話の中で使ったことがある)
 今は亡き某声優さんを思い起こさせるようなドクトル・パンデミックのキャラクターも滑稽だし、太遊さんの真情が巧く織り込まれている点もいい。


 続けて、ゲストの丸山交通公園君が登場し、古典の『胴斬り』に挑む。
 今夜が初めての高座ということで、勝手のつかみ辛さがところどころ表われてはいたものの、自分自身の今に引き付けた改作は、笑いという意味でも自らを表現するという意味でも十分に成功していたのではないか。
 丸山君には、これからもぜひ落語に取り組んでいって欲しい。

 そして最後は、太遊さんの『場末のバステト』。
 心ならずも捨て猫の面倒を見ざるをえなくなったおばさんの悲哀、おかかなしさ(by色川武大)に満ちた作品だけれど、終盤の「飛躍」の妙も忘れてはなるまい。
 おばさんが口にする九州弁も非常に効果的だ。

 残念ながら壱坪シアタースワンは閉館となってしまうが、新たな会場での今後のネオラクゴ・カルティベイトを愉しみにしていきたい。
 そして、毎週月曜20時からのネオラクゴ・フロンティアもお忘れなく!
posted by figarok492na at 02:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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