2014年12月13日

katacotts 第4回公演『料理昇降機(The Dumb Waiter)』

☆katacotts 第4回公演『料理昇降機(The Dumb Waiter)』

 作:ハロルド・ピンター
 訳:喜志哲雄
 演出:戸谷彩
(2014年12月13日19時開演の回/スペース・イサン)


 戸谷彩が主宰する演劇企画、katacottsが第4回目の公演で上演したのは、ハロルド・ピンターの二人芝居『料理昇降機(The Dumb Waiter)』だ。
 ピンターの『料理昇降機』といえば、かつて小林信彦が、萩本欽一と坂上二郎のコント55号による上演を企図したことをすぐに思い出す。
 と、言っても、コント55号だからおもろいコント・喜劇の類いと思ったら、これが大間違い。
 料理昇降機が設置されたある部屋で、ベンとガスの二人の殺し屋は、わかるようでわからないわからないようでわかる、なんとも不可思議な状況に追い込まれ…。
 といった具合の、いわゆる「不条理劇」となっている。
 で、こうした一筋縄ではいかない作品を、今回katacottsが取り上げた意欲をまずは買う。
 またテキストに対して楷書的な読み込みを行う一方、演出の戸谷さんは、ラストの処理や舞台美術、音楽など独自の作劇を試みていたと思う。
 ただ、コント55号云々は置くとしても、滑稽さやふくみ等、作品の持つ幅の広さが再現しきれていないもどかしさ、感情表現の平板さを感じたことも残念ながら事実だ。
 加えて、小物の使用で若干疑問を感じた点もあった。

 ガスの菅原陽樹は、ライヴ特有の傷と演技のクセはありつつも、ガスというキャラクターの造り込みに努めていた点を高く評価したい。
 他方、ベンの山野博生は、彼自身の性質が強く出た演技。
 そのこと自体はよしとして、怒りや憤り、消耗といった表現が、ベンと重なり合うことなく、彼本人の感情として表れてしまっているように感じられた点は、やはり厳しく指摘しておかなければなるまい。

 いずれにしても、戸谷さん、菅原君、山野君の今後の研鑚と活躍を心から祈願したい。
posted by figarok492na at 23:39| Comment(2) | TrackBack(0) | 観劇記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ご観劇、ありがとうございます。
いやぁ、あの回は噛みまくって前半は絶望しておりました。中盤以降、息を吹き返しましたが。

このように感想を書いていただけるのは大変糧になります。
今日も気張ってきます。
Posted by 菅原陽樹(ガス役) at 2014年12月14日 10:23
菅原さん

コメントに気づくのが遅れてしまい、本当に申し訳ありませんでした。

遅ればせながら、公演、お疲れ様でした。
いろいろと大変だったかと思いますが、無事終了まずは何よりです。

こちらこそ、今後ともなにとぞよろしくお願いいたします。

中瀬宏之拝
Posted by figaro at 2015年01月21日 02:42
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