2014年11月16日

枠縁 2作目『庭売り』

☆枠縁 2作目『庭売り』

 作・演出:田中次郎
(2014年11月16日19時開演の回/人間座スタジオ)


 新婚の若い夫と妻は、手入れのよく行き届いた庭のある住宅を購入し、そこに新居を構えるが…。
 田中次郎と飯坂美鶴妃の二人が立ち上げた団体・枠縁の二回目の公演となるA作目『庭売り』は、そうした新居を舞台に、これまでの次郎君の作品と共通する存在の不確かさや、夫婦家族をはじめとした人間関係のいびつさ、歪み、ぬめっとした気持ちの悪さが、時系列や舞台構造のいびつさ、歪みを伴いながら、ときに幻想的にときに狂躁的に描かれていく。
 中でも、フェデリコ・フェリーニの『ボイス・オブ・ムーン』もかくやと思わせる、終盤近くの狂気の発露と展開の脱臼には、わくわくした感じを覚え、心をぐるんと動かされた。
 しかしながら、ところどころ集中が切れるというか、作品の急所が垣間見えていたことも事実だ。
 また、笑いのためのくすぐりが少なからず仕掛けられていたのだけれど、作品世界のつき具合という意味からも、巧く効果が得られていない箇所があったようにも感じた。

 狂気狂躁の表現と台詞を発していないときのたたずまい、動と静の対比が強く印象に残る飯坂さんのほか、高橋紘介、佐藤和駿、高橋美智子、次郎君と、演者陣は作品世界に沿う努力を重ねていた。
 ただ、個々の技量の問題よりも、役柄と演者さんの特性本質との齟齬が気になった点もあり、作品そのものとともにそうした部分をどうならしていくか、精度を如何に高めていくかが、枠縁という団体の今後の課題であるように僕は思う。

 田中君や飯坂さんをはじめ、今回の公演に参加された皆さんのさらなる活躍を心より祈願しつつ、次回の公演を愉しみにしたい。

 明日14時から最後の公演あり。
posted by figarok492na at 23:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 観劇記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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