☆THE ROB CARLTON 8F『スティング・オペレーション』
作・演出:村角太洋
演出助手:入江拓郎
(2014年9月15日18時開演の回/元・立誠小学校音楽室)
スティングといえば、どうしてもジョージ・ロイ・ヒル監督の快作を思い出してしまうが、THE ROB CARLTONにとって8回目の本公演となる8F『スティング・オペレーション』(日本語で「おとり捜査」)も、シチュエーションコメディの骨法によく則った快作に仕上がっていた。
ところはトゥイッケナムホテルのスイートルーム。
今回のおとり捜査のターゲットは、収賄の疑惑が絶えないアンディ上院議員。
捜査員たちのシミュレーションも万全、あとは標的のアンディ上院議員の登場を待つだけだ…。
と、いう具合に物語は進んでいくのだけれど、窮地に追い込まれた人間たちの必死の姿がおかしいのなんの。
バーバル(言葉の)ギャグに体技のルーティンギャグ、さらにはスラプスティックな展開にちょっとした衒学趣味と笑いの仕掛けがふんだんで、「お約束通り」というか、伏線がすとんすとんと回収されていく様も観ていて実に気持ちがいい。
THE ROB CARLTONの一連の作品に共通の「お菓子のネタ」やラグビーネタも常連ファンには嬉しいかぎりだし、男の友情がさらりと讃えられるあたりもいつもながら小気味よい。
まさしく至れり尽せりの内容で、約100分があっと言う間だった。
おなじみ村角ダイチ、満腹満、ボブ・マーサムに加え、客演の西垣匡基(マゴノテ)、古藤望(同)、伊勢村圭太(夕暮れ社 弱男ユニット)ら演者陣も、大技から小技まできちんきちんと決めつつ、精度の高いアンサンブルを生み出していたのではないか。
中でも、秘書のスコットを演じた高阪勝之(男肉 du Soleil/kitt)。
あて書きあて演出の効果ももちろん忘れちゃならないけど、切れる男のちょっとずれたおかしさを見事に演じ切っていて、強く印象に残った。
しっかりと造り込んだ栗山万葉の美術をはじめ、スタッフワークも作品世界によく沿っていた。
次回の公演が本当に愉しみだ。
ああ、面白かった!
2014年09月15日
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