☆京都学生演劇祭Cブロック C-1
劇団ACT(京都産業大学)
『めまい』
脚本・演出:一人静
(2014年8月31日17時上演開始/元・立誠小学校音楽室)
劇団ACTといえば、現友達図鑑の代表で月面クロワッサンのエース、丸山交通公園を皮切りとした、やたけた変格的なコント笑劇の造り手たちという印象がどうしても拭いさり難いが、今回の『めまい』を観て、その認識を大きく改めた。
集団社会に発生する悪意や付和雷同性、自己存在のあやふやさとまとめてしまうと大事なものがこぼれ落ちて、どうにも陳腐なのだけれど、学生さんたちばかりでなく、僕(ら)自身が直面している事どもが、現在小劇場で慣れ親しまれている手法骨法を援用しながら、約45分の中でスピーディーに描かれていく。
まずはその手並みのよさと、その背景にある蓄積、そして表現表出に対する強い意志に感心した。
演者陣も、そうした作・演出の意図によく沿う努力を重ねていたのではないか。
中でも、集団の会話の場面でのスムーズでバランスのよいアンサンブルが強く記憶に残った。
一人静は、さらに細かく内面のどろどろとした部分や、登場人物間の齟齬を描き込める人のように感じられた。
次回は、ぜひとも長尺の作品に接してみたい。
2014年09月01日
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