2014年06月18日

ゲオルゲ・ペトルーとアルモニア・アテネアによるベートーヴェンの『プロメテウスの創造物』全曲

☆ベートーヴェン:バレエ音楽『プロメテウスの創造物』全曲

 指揮:ゲオルゲ・ペトルー
管弦楽:アルモニア・アテネア
(2013年9月/デジタル・セッション録音)
<DECCA>478 6755


 序曲と、交響曲第3番「英雄」の第4楽章に転用された終曲のみが有名なバレエ音楽『プロメテウスの創造物』(序曲・序奏と16曲。1800〜01年)だが、ベートーヴェンという作曲家の特性本質を知ろうとするのであれば、ぜひとも全曲に耳を通していただきたい。

 『プロメテウス』という題材自体もそうだけれど、交響曲第2番(1801〜02年)、ピアノ協奏曲第3番(1800年)、ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」(1800〜01年)、ピアノ・ソナタ第14番「月光」(1801年)等々、ベートーヴェンの初期から中期への変容変化を彩る名曲佳品とほぼ同じ時期に作曲されただけあって、交響曲のスケルツォを彷彿とさせる諧謔精神に満ちたナンバーや、ハープを効果的に使用した優美で軽妙なナンバー(トラック7。まるで、ベルリオーズが編曲したウェーバーの『舞踏への勧誘』や、チャイコフスキーの『くるみ割り人形』の「花のワルツ」の先駆けみたい)と、一曲一曲が創意と工夫、音楽的魅力にあふれている。

 ギリシャの若手指揮者ゲオルゲ・ペトルーと手兵のピリオド楽器オーケストラ、アルモニア・アテネア(彼らが起用されたのは、題材が題材だけにか)も、スピーディーでメリハリの利いた演奏で、一気呵成、劇性に富んだ音楽を生み出していく。
(オルフェウス室内管弦楽団が演奏した同じ曲のCD<ドイツ・グラモフォン/1986年3月録音>が手元にあって、念のため、昨日の夜聴いてみたのだけれど、インティメートで丁寧な演奏に好感は抱きつつも、ペトルーとアルモニア・アテネアの演奏のあとでは、正直もっささというか、じれったさを感じてしまったことも事実だ)

 音の重たさに淫しないベートーヴェンをお求めの方々には、大いにお薦めしたい一枚である。

 そして、ペトルーとアルモニア・アテネアには、ベートーヴェンつながりの『エグモント』の音楽や、ご当地つながりのシューベルトの『キプロスの女王ロザムンデ』の音楽も録音してもらえたらと強く思う。
posted by figarok492na at 16:09| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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