☆ベートーヴェン:弦楽4重奏曲第1番&第15番
アルティス・カルテット
(1991年11月/デジタル・セッション録音)
<SONY>SK48058
ウィーンの弦楽4重奏団・アルティス・カルテットが、ベートーヴェンの初期と後期の弦楽4重奏曲を1曲ずつ演奏したアルバム。
アルティス・カルテットといえば、リゲティなどいわゆる現代音楽にも優れた録音を残してきたが、このベートーヴェンでも、彼らのアンサンブルの凝集力というか、まとまりのよさ、音楽の勘所のとらえ方のよさが充分に発揮されている。
ただし、シャープでソリッドなハーゲン・カルテットや、ピリオド・スタイルを援用してスピーディーでクリアなアルテミス・カルテットよりも、よりオーソドックスというか、ウェットさ、リリカルさ、歌唱性を感じるのがアルティス・カルテットの特性魅力とも言えるだろう。
すでに20年以上も前の録音なので、「今現在の」と言い切ってしまうのにはどうしても躊躇するが、古めかし過ぎず新し過ぎもしない、よい意味での中庸な演奏を求めるむきには安心してお薦めできる一枚である。
録音も悪くない。
2014年05月18日
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