☆モーツァルト:オーボエ協奏曲、ファゴット協奏曲他
指揮:アルフレード・ベルナルディーニ
独奏:アルフレード・ベルナルディーニ(オーボエ)
独奏:アルベルト・グラッツィ(ファゴット)
独奏:マッシモ・スパダーノ、マウロ・ロペス(ヴァイオリン)
管弦楽:ゼフィロ・オーケストラ
(2006年12月/デジタル・セッション録音)
<ドイツ・ハルモニアムンディ>88697924082
ピリオド楽器の管楽アンサンブルというと、ソニー・クラシカルのVIVARTEシリーズに数々の録音を残したモッツァフィアートをすぐに思い起こすが、あちらがインティメートで親和力に富んだアンサンブルを売りにしていたとすれば、こちらゼフィロは活発でエンターテインメント性に富んだアンサンブルを売りにしているのではないか。
(実際、ゼフィロは来日コンサートでも演奏中にいろいろ仕掛けてきたらしい。あいにく接することはできなかったが)
弦楽器奏者を加え、設立者のアルフレード・ベルナルディーニとアルベルト・グラッツィがソロを務めた、このモーツァルトの協奏曲集でも、そうしたゼフィロの特性はよく発揮されていると思う。
まずベルナルディーニの吹き振りによるオーボエ協奏曲では、ピリオド楽器のオーボエの素朴な音色が魅力的だ。
そして、伴奏の管楽器陣が随所で威勢のよさを示しているのも面白い。
一方、ファゴット協奏曲では、グラッツィの軽快明敏なソロが冴える。
優れた喜劇役者の独り語りを聴いているかのような愉しさだ。
そして、第2楽章でのおかかなしさ。
そうそう、最後に収められた2つのヴァイオリンのためのコンチェルトーネも忘れちゃいけない。
(てか、この曲が一番の聴きものかも)
スパダーノ、ロペスのヴァイオリンのほか、ベルナルディーニのオーボエもソロ的に加わって、伴奏のアンサンブルともども、流れがよくって活きがよい音楽を生み出している。
モーツァルトの陽性な作品の魅力が存分に詰め込まれたアルバムで、モーツァルト好き、管楽器好き、ピリオド楽器好きにはなべてお薦めしたい。
2014年04月17日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック