2014年01月17日

めし

☆めし(1951年、東宝、モノクロ)

 監督:成瀬巳喜男
 原作:林芙美子
 脚色:井手俊郎、田中澄江
 美術:中古智
 音楽:早坂文雄
(2014年1月17日18時半上映の回、京都文化博物館フィルムシアター)


 久しぶりに成瀬巳喜男監督の『めし』を観たが、やっぱり面白かったなあ。

 大阪に暮らす初之輔と三千代夫妻のもとに、家出をした初之輔の姪里子が急にやって来る。
 日々の生活に倦んでいた三千代は、初之輔と三千代の親密な姿が引き金となって…。
 と、『めし』は、林芙美子の未完の小説を井手俊郎と田中澄江が脚色し成瀬巳喜男が監督したもので、原節子演じる三千代の疲れ切った日常と感情の嵐や当時の女性の置かれた状況、男の情けなさ、狡さが、ときに滑稽さを交えながら丹念に描かれていく。
(って、実はこの『めし』へのオマージュとして、僕はある作品のシナリオを書いたんだけど、成瀬さんの世界観の再現は、とても難しかったんだよね。技芸においても、精神においても)

 小津作品とは対照的なやつれてヒステリックにもなる原節子や、しょたくたびれた初之輔役の上原謙はじめ、杉村春子、島崎雪子、二本柳寛、小林桂樹、杉葉子(大好きな女優さん)、中北千枝子、花井蘭子、進藤英太郎、滝花久子、浦辺粂子、大泉滉、長岡輝子、山村聰、田中春男といった役者陣も役柄によく沿った演技を行っている。
 また、中古智の美術には、いつもながら目を見張らされる。
 なお、今回は特集「生誕100周年記念 早坂文雄の映画音楽世界」の一環としての上映だが、若干甘やか過ぎるというか、早坂文雄はオーソドックスな音楽をつけているのではないか。

 いずれにしても、一見の価値ある作品だと思う。
 ああ、面白かった!
posted by figarok492na at 22:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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