2013年12月30日

すっぴんの美しさ ガーディナーが指揮したビゼーの『アルルの女』と交響曲

☆ビゼー:交響曲&劇音楽『アルルの女』抜粋

 指揮:ジョン・エリオット・ガーディナー
管弦楽:リヨン歌劇場管弦楽団
(1986年11月/デジタル・セッション録音)


 ビゼーの『アルルの女』といえば、作曲者自身とギローが編曲した組曲版が有名だが、このCDでは、その原曲にあたる劇音楽の中から、第1番前奏曲、第7番パストラーレ、第12番メロドラマ、第14番マエストーソ、第16番メヌエット、第22番メロドラマ、第16番bカリヨン、第17番メロドラマ、第23番メロドラマ、第19番ファランドールの10曲を抜粋し順番を入れ換えて録音している。

 組曲版のシンフォニックな構えと異なり、もともと小編成を想定して作曲された音楽だけに、ある種の素っ気なさを感じないこともないが、すっぴんの美しさというか、ビゼーの作曲の巧さや旋律の美しさが、より引き立っているように感じられることも事実だ。
 それには、カリヨンのシンプルな美、ファランドールの小気味よさなど、ガーディナーによるピリオド・スタイルを援用した音楽づくりも忘れてはなるまいが。
 交響曲も軽快かつ清々しい演奏で、とても聴き心地がよい。

 中古CDを500円で手に入れたのだけれど、これまた掘り出し物。
 『アルルの女』の組曲に慣れ切った人にこそ聴いて欲しい一枚である。
posted by figarok492na at 14:24| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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