2013年12月14日

この季節にぴったり IN SITU Vol.1『THE LONG CHRISTMAS DINNER』

☆IN SITU Vol.1『THE LONG CHRISTMAS DINNER』

 作:ソーントン・ワイルダー
演出:大石達起
(2013年12月14日19時開演の回/東山青少年活動センター創造活動室)


 劇団ケッペキ出身で、卒団後もニットキャップシアターの演出助手を務めるなど、精力的に演劇活動を続けている大石達起が、主に近代の海外戯曲の上演を目的として立ち上げたユニット、IN SITU(イン・サイチュ。ラテン語で「あるべき場所」)の第一回目の公演、『THE LONG CHRISTMAS DINNER』を観た。

 『THE LONG CHRISTMAS DINNER』といえば、ソーントン・ワイルダーの原作よりも、パウル・ヒンデミットが音楽劇化したもののほうをついつい先に思い起こしてしまうのだが、アメリカの田舎町のとある家のクリスマス・ディナーを舞台に、人の生と死や、厳然とした時の流れ、社会の変化が効果的に描かれた作品であり、同じワイルダーの『わが町』のひな型とでも呼ぶべき内容となっている。
 大石君は、作品の肝となるべき部分をしっかり押さえつつ、ニットキャップシアターでの経験を活かしてだろう、よい意味での邪劇臭というか、場面構成や演技面でデフォルメを加え、シリアスな部分とコミカルな部分とメリハリがよくきいた舞台づくりを行っていたと思う。
 特に終盤の展開には、心をぐっと動かされた。
 音楽の選択も含めて、この季節にぴったりの公演となっていたのではないか。
(非常に意欲的な企画だからこそ、一つだけ小難しいことを記すと、演出や演技の精度という意味でも、近代戯曲の持つ「歴史性」、「社会性」、「政治性」をどう処理していくかという意味でも、いわゆる「新劇」とどう向き合い、「新劇的」なものとどう距離をとっていくかが、IN SITUや大石君の今後の課題となるように、僕には感じられる)

 ライヴ特有の傷、粗や、個々の課題はありつつも、ニットキャップシアターの織田圭祐をはじめ、仲谷萌(C.T.T.での『煙の塔』もそうだったけど、彼女は気になる演者さんだ)、町田名海子、下川原浩祐、内山航、田渕詩乃、西分綾香の演者陣は、大石君の意図によく沿う努力を重ねていた。

 いずれにしても、IN SITUや大石君、演者陣の皆さんのさらなる活躍に心から期待したい。

 そうそう、織田君が軽妙で愉しいアフタートーク&パフォーマンスを披歴していたことを最後に付け加えておきたい。
posted by figarok492na at 23:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 観劇記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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