2013年09月16日

三者三様の笑い gate in コックピット

☆gate in コックピット

(2013年9月15日15時開演の回/KAIKA)


 今回のgateは、10月より開催される劇団衛星『岩戸山のコックピット』の舞台装置(ロボット内の操作操縦ルームと思し召せ)をまんま利用した企画。
 と、言うことで、いつもと違った枷がある分、各団体とも苦戦を強いられるのではないかと思っていたが、なんのなんの、三者三様の笑いをためた、面白い作品を造り上げていた。

 まずは、東京のPLAT-formanceの『MOBILE TAKA-6』(オカヨウヘイ作、安藤理樹と吉田能の出演)。
 彼らにとって初の具象舞台美術を使った公演とのことだったが、コックピットの設定をそのまま利用して、例えばナイツのような東京漫才ののりの掛け合い(本当は、以前新宿末廣亭などで接したも少しマイナーなコンビを例に挙げたいんだけど、有名どころが手っとりばやいだろうからナイツにする)を全面に、オーソドックスな演劇的な手法も用いた快活なテンポの作品づくりに成功していた。
 面白うて、やがてかなしき…。
 といった展開も、余韻が残る。

 続いては、京都代表の友達図鑑による『友達図鑑の逃げ出したくせに』(丸山交通公園作・演出)。
 工場を潰して女房にも逃げられた親父は今日も今日とて働きもせで、二階の部屋に閉じこもって自らが作り上げたコックピットの「整備」に没頭する。
 それだけでもしゃむないすかたん人間であるのだけれど、この親父、あろうことか、己が働く代わりに娘を…。
 水を得た魚と言っても過言ではないだろう。
 まさしく、泣くに泣けない、だから歯噛みして笑うという丸山ワールド全開の作品で、冒頭必死にコックピットを磨く丸山交通公園の情けない姿には、黒澤明監督の『どですかでん』を思い出したほどだ。
 また、娘役の金原ぽち子、義弟役の佐藤正純も、各々娘の低温動物的な不気味さと、勘違い男の増長慢ぶりを巧く表現していたと思う。
 書かねばならじ、やらねば命あらじ、といった丸山君の表現者としての業、切実さに満ち満ちた作品で、ここ一年ほどのもやもやが解き放たれた気分になった。
 いろいろと大変だろうが、丸山君にはぜひとも友達図鑑の活動も続けていって欲しい。

 最後は、北九州のブルーエゴナクによる『シュービックラップ(痕)』(穴迫信一作・演出)。
 穴迫信一が演劇活動の中で実際に経験した出来事を、コックピットの設定を通して再現した「セミ・ドキュメント作品」。
 武田鉄矢が好例かな、九州男にときとしてありがちな(ちなみに、僕は長崎出身です)底が見えやすい正論を武器にした説教臭さ、粘着気質ぶりを、穴迫さんは細かく笑いをまぶしながらこれでもかこれでもかという具合にデフォルメしていく。
 そのおかしさとかなしさ、みじめさ。
 むろん、高山実花と松下龍太朗の普通っぽい−常人としての「受け」があるからこそ、穴迫さん演じるチームリーダーの変さ、しつこさがさらに際立っていくのだが。
 今回の作品でも垣間見えた、穴迫さんの狂気がさらに発揮された長篇作品を今度は観てみたい。
 本格的な京都公演が待ち遠しい。

 三作品とも、ああ、面白かった!
posted by figarok492na at 01:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 観劇記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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