☆モーツァルト:弦楽4重奏曲第20番&第22番
演奏:ザロモン弦楽4重奏団
(1990年9月/デジタル・セッション録音)
<hyperion>CDA66458
モーツァルトの弦楽4重奏曲第20番が好きだ。
特に、伸びやかさと愛らしさとインティメートな雰囲気に満ち満ちた第1楽章が大好きだ。
だからこそ逆に、自分にぴたぴたっとしっくりくるCDになかなか出合えない。
ハーゲン・カルテットのCDが今手元にあって、これもほんとに優れた演奏なのだが、どこかで、いやなんかが違うな、という気持ちにとらわれてしまっている。
そんなこともあって、ブックオフの500円の中古コーナーで見つけた、ザロモン弦楽4重奏団の演奏によるハイペリオン盤を思わず購入してしまった。
で、ザロモン弦楽4重奏団はヴァイオリニストのサイモン・スタンデイジが率いるピリオド楽器のアンサンブルなのだけれど、同じピリオド楽器のモザイク・カルテットのような流麗さには欠けるものの、実に親密感にあふれた演奏を造り出しているのではないか。
目当ての第20番の第1楽章も、なかなかいい線いっていると思う。
ただ、それじゃあこの演奏がベストチョイスとなるかというと、ううん、それはどうだろう。
演奏の端々にふと顔を出すちょっとした野暮ったさが、どうにも気になってしまうんだよなあ。
まあ、気にし過ぎといえば、気にし過ぎなんだろうけどね。
とはいえ、カップリングの第22番ともども、度々聴き返すことになるCDにはなりそうだ。
古典派の室内楽好きにはご一聴をお薦めしたい一枚だ。
2013年01月30日
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