☆「」会
(2012年9月30日、東山青少年活動センター創造活動室)
企画外企画劇場が作道雄のプロデューサーとしての能力を遺憾なく発揮する場でもあるとすれば、「」会は玉木青のクリエーターとしての能力を遺憾なく発揮する場でもあると言えるのではないか。
台風17号の接近によるあいにくの悪天候にも関わらずの盛況となった「」(カギカッコ)会の第1回目の公演だが(まずは何より)、丸山交通公園と横山清正の漫才(丸山君らしい)に始まって、三宅陽介の脚本演出出演による一人芝居、お客様コールセンターという体の大喜利、朗読劇、ショートコントに大喜利風コント、京大落研の道楽亭海人の落語『悋気の独楽』(特に本題に入ってからの水を得た魚のような語りっぷりが見事)、そして即興新喜劇で〆るというごった煮ぶりに、内心どんなもんかいなと危惧の念を抱いていたりもしたのだけれど、気がつけば二時間があっという間に過ぎてしまっていた。
玉木君自身が口にしていたように、ゆるゆるの部分も相当あって、正直ぎりぎりやなあと思う部分もなくはなかったものの、粗さやとっちらかった感じも巧く笑いにつながっていたと思う。
また、バケツ作、玉木君演出による朗読劇『それからのマジョルカマジョリカ』(玉木君自身も出演。端整な芸だ。真野絵里はコケティッシュ)とコント『そういったサービス』(即興新喜劇とともに、北川啓太が好演)は、テキストの持つ含み膨らみと、玉木君のセンスがよくあっていて強く印象に残った。
加えて、三宅君の「フラ」がしっかり出ていて嬉しかったし、落研の面々の芝居心にも感心した。
ほかに、安定した井田勝也、本田早紀、垣尾玲央菜、裏井小百合も出演。
ああ、面白かった!
それにしても、「」会に企画外企画劇場と、「似て非なる」ものがこうやって鎬を削るのはやっぱり悪くないな。
ただ、「似て非がわかりにくい」ものが増えては、もとも子もないような気もするけれど。
2012年09月30日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック