2012年04月27日

大満足の『悪名市場』

☆悪名市場<1963年、大映京都>

 監督:森一生
 原作:今東光
 脚本:依田義賢
(2012年4月27日、京都文化博物館フィルムシアター)


 タイトルからもおわかりの如く、勝新こと勝新太郎演じる八尾の朝吉と、田宮二郎演じる清次(亡くなったモートルの貞の弟という設定。もしかしたら、『男たちの挽歌』は、この「トリック」をいただいたのではないか?)のコンビが大活躍する『悪名』シリーズ中の一本である。

 で、今回は、芦屋雁之助小雁兄弟演じる贋の朝吉清次が絡んで話が進んでいくのだけれど、登場人物出演者の見せ場をきっちり設けつつ、巧みにドラマを造り出した依田義賢(溝口作品でおなじみ)の脚本に、森一生の手堅い作劇もあって、あっという間に一時間半が過ぎてしまった。
 当然、勝新田宮の軽妙さを兼ね備えたかっこよい演技が見物であることは言うまでもないが、一方の偽物二人喜劇人ぶり、ばかりか、ここぞというところで見せるシリアスな演技も印象に残る。
(特に、悪党にはめられて嬲り者にされたあとの雁之助の表情!)
 ほかに、ほわんほわんくにゃりくにゃりとした雰囲気の瑳峨美智子をはじめ、田中春男、松居茂美(あまり映画には出演していないが、存在感がある)、藤原礼子、茶川一郎、曾我廼家五郎八、西岡慶子(後述、小雁さんも話されていたが、五郎八の娘)、白木みのる、花沢徳衛、永田靖、横山アウトらが、各々の柄に合った演技を披歴していた。
(加えて、ラストの藤田まことの出演もオチがきいていていい)

 しかも、上映終了後には小雁さんのトークまであって大満足というほかない。
 ああ、面白かった!


 なお、この『悪名市場』に関しては、小林信彦も芦屋雁之助を追悼する一文「雁之助さんのような生き方」(『本音を申せば』<文春文庫>所収)で、好きな作品として触れている。
 『悪名市場』を未見でない方は、よろしければご参照のほど。
posted by figarok492na at 23:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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