2012年04月04日

戦ふ兵隊

☆戦ふ兵隊<1939年、東宝作品>

 監督・編集:亀井文夫
(2012年4月4日、京都文化博物館フィルムシアター)


 大きい力、大きな声が世を席巻する中で、それって違うんじゃないの? という意志を持ち続けることは非常に難しい。
 だからこそ、そうした状況と如何に向き合うかということは、表現者にとっても忘れてはならない大切な課題の一つだろう。

 本来戦意高揚の目的で製作されながら、結果日中戦争の悲惨さを色濃く描き出してしまった亀井文夫監督の『戦ふ兵隊』は、様々な意味で「如何に向き合うか」を考える際の重要な教材となるのではないか。
 確かに、日本軍による武漢作戦を讃えるかのような映像や文面も一応挿入されているのだが、観終えてより強く感じるのは戦地で闘う兵士たちの辛さであり、中国の人々の強かさであった。
(細かい例を挙げれば、軍楽隊が演奏するスッペの『軽騎兵』序曲のうち、中間部の葬送行進曲的な音楽のみが使用されているあたりも、亀井文夫の確固とした意志の表われのように感じられる)
 亀井監督自身の思惑は別として、厭戦的な内容との判断から公開禁止になったということも理解ができないことではない。
 いずれにしても、いろいろと考えさせられた作品である。

 なお、この『戦ふ兵隊』をはじめ、亀井文夫に関しては、彼自らが著した『たたかう映画』<岩波新書>が詳しい。
 ご興味ご関心がおありの方は、ぜひご一読のほどを。
posted by figarok492na at 21:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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