☆ブラームス:セレナード第1番&第2番
指揮:アンドレアス・シュペリング
管弦楽:カペラ・アウグスティナ
(2005年9月/デジタル・セッション録音)
<CPO>777 300-2
先日亡くなった玉木宏樹が、以前ツイッターでブラームスのオーケストレーションの拙さについてツイートしていたことがあった。
さすがはオーケストレーションの妙手玉木さん(厭味じゃないよ)と感じつつ、あばたもえくぼじゃないけれど、玉木さんが指摘するような拙い部分も含めてブラームスの管弦楽作品が好きなんだよなあと改めて思ったりもした。
そう、どこかごつごつぎくしゃくしておさまりの悪さを感じる構成だって、欲求不満突然爆発のきらいなきにしもあらずのはっちゃけはきはきステレオ全開ファインオーケー的な部分だって、しっとりしとしととウェットでリリカルな旋律同様、聴けば聴くほど魅力的に思われてならないのである。
で、そんなブラームスの管弦楽作品のプロトタイプと言ってもよい、セレナード第1番ニ長調作品番号11と第2番イ長調作品番号16(ちなみに、この曲ではヴァイオリンが使われていない)を、アンドレアス・シュペリング指揮カペラ・アウグスティナの演奏で聴いたんだけど、上述したようなブラームスの長所と短所がよく表われていて個人的にはとても面白い一枚だった。
大好きな第1番の第楽章は、若干もたつき気味でそれほどわくわくしなかったものの、ゆったりとした楽章ではピリオド楽器の素朴で淡々とした音色もあって、作品の持つインティメートな雰囲気や旋律の美しさが巧く表現されていたような気がする。
その分、音質的なくぐもった感じや音楽的な野暮ったい感じが垣間見える(聴こえる)のは否定できないが、第2番の終楽章の軽やかな愉悦感など聴きどころも少なくないのではないか。
ブラームスの二つのセレナードのファーストチョイスというよりも、二枚目、もしくは三枚目あたりにお薦めしたいCDだ。
ところで、玉木さんだったら、このCDをどう評価しただろうな。
ぜひともその感想を聴いてみたかったのだが。
2012年02月03日
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