2011年12月19日

劇団テンケテンケテンケテンケ第7回公演『雪もつもれば』

☆劇団テンケテンケテンケテンケ第7回公演『雪もつもれば』

 作・演出:勝二繁
(2011年12月18日、スペースイサン)


 一字違いで大違いというが、劇団テンケテンケテンケテンケにとって7回目の公演となる『雪もつもれば』が始まってすぐは、もしかしてこれはちょっとぬるい芝居になりやしないだろうかと心配したのだが、なんのなんの、場面が進むごとに笑いの仕掛けが巧く決まっていき、観終えたときには、ああ足を運んでよかったな観ておいてよかったなと思える「ぬくい」気持ちになっていた。

 まずもって感心したのは、勝二繁のテキストが、これまでの諸作品に比べて大きく変化していたことで、オーソドックスな演劇の骨法やルーティンな笑いを活かしてお客さんを愉しませながら(そこには、ハラダリャンや藤本隆志といった人たちとの共同作業の積み重ねを忘れてはならないだろうけれど)、自分自身の想い(それは単に、演劇を続ける自分自身や家族との関係に対してだけではなく、自分を取り巻く様々な今に対しても)がストレートに表わされていて、とても納得がいき、強く心が動く。

 また、辻井直幸、高橋志保、松本S一、谷内一恵、北川景太といった演者陣も、そうした勝二君のテキストを活かすべく、各々の特性や魅力を発揮していたのではないだろうか。
 アンサンブルという意味でも、よい演者陣が揃っていたと思った。

 当然、細かいことを言い出せばいろいろと言えることがあるのだけれど(テキスト演出演技の面に加え、それには、例えばチケットに学生料金があればよかったのでは、といった制作面でも問題も含まれるのだが)、そういった諸々はぜひとも次回の公演でクリアすべき、劇団なり勝二君なりの大切な課題にして欲しい。

 そういえば、以前僕はある公演の感想で勝二君やよこえとも子について「かわいい子には旅をさせよ」と記したことがある。
 子(供)という言葉は置くとして、勝二君やよこえさん、加えて辻井君が、今長い自分自身の旅を続けている途中であることは確かだろう。
 これから先、ときには遠回りをしたり、ときには躓いたり、ときには堂々巡りを繰り返したりすることもあるかもしれない。
 けれど、それでも、いや、だからこそ、彼彼女らが旅を続ける姿を、ときに厳しい言葉を投げかけたりすることもあるかもしれないが、しっかり見守っていきたいし、見守って欲しいとも強く思う。
 むろん、僕自身も彼彼女らに刺激を受けながら、自分自身の旅を続けていかなければならないのだが。

 いずれにしても、ああ、面白かった!
posted by figarok492na at 19:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 観劇記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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