☆ロッシーニ:序曲集
指揮:アレクサンダー・リープライヒ
管弦楽:ミュンヘン室内管弦楽団
録音:2010年6、7月(デジタル/セッション)
<SONY/BMG>88697771412
日本のオーケストラともたびたび共演を果たしている、ドイツの若手指揮者アレクサンダー・リープライヒによるロッシーニの序曲集。
いわゆるピリオド奏法を援用した演奏だが、モダン楽器のオーケストラということもあって、ピリオド楽器特有のざらついた音色とは異なり、肌理の細かい滑らかな響きとなっている。
劇場感覚には若干不足するような気もしないではないけれど、非常にテンポ感のよいスタイリッシュな音楽造形で、繰り返し聴いてもくどさを感じない。
ソロ、アンサンブルの両面で、ミュンヘン室内管弦楽団は本来の実力を発揮しているのではないか。
少なくとも、リープライヒの音楽づくりとオーケストラの若々しさが、よく合っているように、個人的には思われた。
収録曲は、『絹のきざはし』、『ブルスキーノ氏』、『幸運な錯覚』、『アルジェのイタリア女』、『イタリアのトルコ人』、『マティルデ・ディ・シャブラン』、『セビリャの理髪師』、『ウィリアム・テル』の8曲。
大好きな『どろぼうかささぎ』や『ラ・チェネレントラ(シンデレラ)』の序曲が含まれていないのは残念だが、あまりとり上げられる機会のない作品が選ばれているのでそこは我慢しよう。
コアなオペラ好きの方よりも、ロッシーニの音楽を「器楽的」に愉しみたい方にお薦めの一枚ではなかろうか。
2011年05月18日
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