2010年09月19日

小林桂樹を悼んで

 俳優の小林桂樹が亡くなった。
 86歳だからやはり長命だったというべきだろうが、最近まで現役で活動を続けていたことに加え、彼の上司役を長らく務めた森繁久彌翁のことも思い出されて、ついまだ早いのではと思ってしまったことも事実だ。

 今さらくどくどと語る必要もないだろうけれど、小林さんといえば、まずは東宝への移籍後のいわゆるサラリーマン物(上述した「社長シリーズ」も含む)で一世を風靡したほか、成瀬巳喜男監督の一連の作品や黒澤明監督の『椿三十郎』でも、その個性をよく発揮した。
(余談だが、小林さんが山下清を演じた堀川弘通監督の『裸の大将』は、もともと成瀬巳喜男が監督する予定だった)

 また、年齢を重ねるごとに、強情さと頑なさ、優しさとおかしさを兼ね備えた人柄は厚みを増し、映画やテレビドラマなどで活躍した。
 中でも、牟田刑事官シリーズ(津島恵子とのコンビネーションが嬉しい)、弁護士・朝日岳之助シリーズなどは有名だが、個人的には下山定則国鉄総裁を演じた、NHKの『空白の900分』が忘れ難い。

 なお、小林さんの聞き書きである『役者六十年』<中日新聞社>は、彼の人となりをよく伝えていて、彼を識るためには必読の一冊だろう。
 あと、斎藤忠夫の『東宝行進曲』<平凡社>では、自らの弟の友人である小林さんの、東宝移籍にまつわるエピソードが詳しく記されている。

 深く、深く、深く、深く、深く黙祷。
posted by figarok492na at 13:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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