2009年09月02日

1994年2月2日(欧州音楽日記13)

 ☆リヒャルト・シュトラウス:歌劇『アラベラ』公演

  指揮:ヴァルター・E・グガバウアー
 管弦楽:デュッセルドルフ交響楽団
  会場:デュッセルドルフ・オペラハウス(ライン・ドイツ・オペラ)


 去年のプレミアとその後の公演を観逃していたので、デュッセルドルフのライン・ドイツ・オペラまで『アラベラ』を観に出かけた。
 プレミアを振ったグガバウアーがこの2月もずっと指揮するとシュピールプランに載っていたので、まず第一日目と思って行ったのだが…。
 オペラハウスに着きチケットを買って、自分の席に座り込んだところで、今月の予定を確かめてみると…。
 今日以外の指揮がいつの間にかハンス・ドレヴァンツに変更されていた。
 ドレヴァンツがそれほど大物でないということはわかっているが、しかし。
 2月5日にすりゃよかったかなあと後悔する。
 もしかしたら、また行くかも*1。

 出だしからして、少々バランスが悪かったので、「あぁーあ」と思う。
 オーケストラのほうは、弦など時折美しい音を奏でているのだが。
 第3幕のはじまりなど、だいぶんずれていた様子。
 管楽器はミスも多く、大変だったよう。
 リヒャルト・シュトラウスが難しいのがわかる。
 本多さん*2からもうかがったが、日本の団体がリヒャルト・シュトラウスの舞台作品を恒常的に上演するのには、まだまだ時間がかかりそう。
 これは、オーケストラだけでなく、歌手にも言えることではないか。

 歌手陣。
 アラベラのユーホフ。テレビで以前ちらりと観たポップ*3ほど美声でもないし、終盤息切れもあったが、第2幕のマンドリーカとの二重唱は良かった。
 マンドリーカのベルガーは美声。マンドリーカとしての風貌も備えている。直情的過ぎる感じもしないではないが、田舎者としてはそれも適切か。ただ音が外れたり、息が続かないところが何箇所かあった。
 グリフィスのズデンカが良かった。一番か二番の出来。この前の『フィガロ』*4のスザンナよりも今日のほうがいい。声は美しいし、ズデンカの役にあった容姿をしている。ホフマンスタールの原作の小説では、もともと彼女のほうが主人公であったことも思い出した*5。
 マッテオのエーベルツ。この前の『ホフマン』*6のときのほうが良かった。少々力み過ぎで、品がない(品がないほうが良いのか?)。
 フィアカミリの番場ちひろ。これは良かった。コロラトゥーラの技巧が冴えていたし、声も良い。
 あと、カール・リッダーブッシュの伯爵。往年の声はすでにないのだろうが、存在感は抜群。芝居も達者。こうした脇役がいてこそ、なんとか舞台が成り立つ。
 他の脇も悪くなかった。

 美術は、古臭くない、美しい舞台を造り上げていた。
 ただし、もともとのウィーンの雰囲気には欠けていて、デュッセルドルフの『アラベラ』という芝居になっていた。
 そして、このことは、はじめのほうに書いた日本でリヒャルト・シュトラウスの作品、特にこの『アラベラ』や『インテルメッツォ』、『カプリッチョ』といった作品が上演されにくい原因の一つともつながっていると思う。
 『アラベラ』の話の素地たる生活があった(ある)ヨーロッパと日本の違い、というか*7。



*1:結局、行かなかった。

*2:指揮者の本多優之さん。

*3:NHKが録画放映していた、バイエルン州立歌劇場の来日公演におけるルチア・ポップのアラベラのこと。ポップの『アラベラ』全曲の正規録音はないはずで、この録画のDVD化が待たれるところだ。

*4:1993年10月24日の公演。指揮は、児玉宏。

*5:「まだ書かれていない喜劇の人物たち」という副題のある『ルツィドール』がそれ。ホフマンスタールの短篇集『チャンドス卿の手紙 他十篇』<岩波文庫>に収められている。

*6:1994年1月2日のオッフェンバックの『ホフマン物語』。指揮は、グガバウアー。
なお、これは原語のフランス語ではなく、ドイツ語での上演だった。

*7:中途半端な形で文章が終わっているが、ここでは原文のままアップすることにした。
posted by figarok492na at 12:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 欧州音楽日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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